AIの普及が生み出す純粋機械化経済。我々はこれから劇的な変化を目撃する――。歴史・技術・思想など多角的な視点から未来を問う。

純粋機械化経済
頭脳資本主義と日本の没落

定価:本体2,300円+税
発売日:2019年05月27日
ISBN:978-4-532-35818-1
上製/四六判/492ページ
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おすすめのポイント

2030年頃にAIは、人間と同等になったり人間を超えたりはしないものの、人間の知的振る舞いをぎこちなく真似る程度には進歩している可能性があります。人間の知性に近いそのようなAIを手にしたものが、次世代の経済的覇権や政治的覇権を手にするでしょう。

それゆえ、AIの進歩の遅れている日本のような国は没落し、進んでいる中国のような国は飛躍的に経済力や軍事力を伸ばして、覇権国家となるでしょう。AI時代に世界は大きく分岐するのです。

本書は、AIが持つ暴力的なまでの巨大な力の正体と、それが一体どんな便益や害悪をもたらすのかを明らかにします。
AIは爆発的な経済成長をもたらすとともに、多くの雇用を破壊し格差を拡大させるかもしれません。

私達の生活を便利にし豊かにするとともに、私達を怠惰にして堕落させるかもしれません。
犯罪のない安全な社会とともに、人の悪口や不道徳な行い、政府批判を一切許さないような偏狭な監視社会をもたらすかもしれません。

第1章は導入で、第2章以降を読み進めるのに必要な基本的な知識を提供する役割を担っています。
第2章では、AIがどのような技術でどこまで人間の知的振る舞いを真似ることができるのかについて検討します。
第3章では、AIがどのように人々の雇用を奪ったり、格差を拡大させるのかを論じます。
第4章では、さらにそれを経済理論に基づいて議論します。AIによる爆発的な経済成長の始まりを、本書では「テイクオフ」(離陸)と言います。テイクオフの時期には、国によるばらつきが生じます。早めにテイクオフする国々と遅めにテイクオフする国々との間の経済成長に関する開きを「AI 時代の大分岐」と呼びます。
第5章と第6章で説明するように、過去に「新石器時代の大分岐」と「工業化時代の大分岐」という二つの同様の開きが生じました。これらの章では歴史的にどのような国や地域が繁栄したかということについても議論します。そのうえで第7章で、「AI 時代の大分岐」について論じます。
最後に第8章で、AI時代に人々が豊かになるには、国家が何をなさなければならないのかを検討します。

編集者より

AI(人工知能)との共存だなんて言っている場合ではありません。我々は機械との競争に打ち負かされ、新たな社会システムに挑戦するという世界史的大転換に直面しているのです。それだけではありません、日本はこの大転換に乗り遅れつつあるという憂慮すべき事態にあるのです。

本書は、ベストセラー『人工知能と経済の未来』の著者による渾身の力作。歴史、思想、経済と多角的にこの大転換の本質を解明し、日本が何をすべきかを提言するAI経済文明論です。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』に負けない世界観を持った、これから100年の世界を読み解くための必読書です。

(2019.5.27)


目次

  1. 第1章 AI時代に日本は逆転できるか

    第2章 人工知能はどこまで人間に近づけるか

    第3章 人工知能は人々の仕事を奪うか

    第4章 技術的失業と格差の経済理論

    第5章 新石器時代の大分岐――人類史上最大の愚行はこうして始まった

    第6章 工業化時代の大分岐――なぜ中国ではなくイギリスで産業革命が起きたのか

    第7章 AI時代の大分岐――爆発的な経済成長

    第8章 AI時代の国家の役割――中枢を担うのは国家か、プラットフォーム企業か

著者・監修者プロフィール

井上 智洋(いのうえ ともひろ)

駒澤大学経済学部講師。専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論
慶應義塾大学環境情報学部卒業、IT企業を経て、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2015年4月から現職。博士(経済学)。人工知能と経済学の関係を研究するパイオニアとして、学会での発表や政府の研究会などで幅広く発言。AI社会論研究会の共同発起人をつとめる。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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