未曾有の危機に揺れる世界は、90年代日本の経験を生かせるのか。日本経済の長期低迷のメカニズムを鮮やかに解明、不良債権処理を核とした経済再生策を提示し大きな話題を呼んだ名著がついに復活。解説、竹中平蔵氏。

日本経済の罠 増補版

定価:本体952円+税
発売日:2009年02月04日
ISBN:978-4-532-19483-3
並製/A6判/592ページ
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未曾有の危機に揺れる世界は、90年代日本の経験を生かせるのか。日本経済の長期低迷のメカニズムを鮮やかに解明、不良債権処理を核とした経済再生策を提示し大きな話題を呼んだ名著がついに復活。解説、竹中平蔵氏。

日経・経済図書文化賞、大佛次郎論壇賞奨励賞をダブル受賞した名著がいよいよ文庫化。今回の金融危機を詳しく紹介する最終章を新たに書き下ろし。

目次

  1. 文庫版へのまえがき――日本の経験から教訓は得られるのか
    序文

    第1章 バブル崩壊と失われた十年
    1節 日本経済の体質変化――低成長と脆弱性
     1 経済低迷の遠因――八〇年代の日本経済
     2 90年代の実体経済の動き
    2節 90年代の経済政策――試行錯誤の一〇年間
     1 バブル崩壊直後(九一~九二年)
     2 ストック調整期(九三~九五年)
     3 一時的回復の時期(九五~九七年)
     4 全面的金融危機の到来(九七年後半~九九年)

    第2章 経済政策の誤解 マクロ経済とミクロ経済との相克
    1節 総需要管理政策の誤解
    2節 ケインズ政策不調の理由
     1「不十分な財政政策」――乗数効果の誤解
     2「非効率な公共事業」の誤解
     3「流動性の罠」の誤解
    3節 構造改革論の誤解
     1 規制緩和論
     2 規制緩和の誤解――合成の誤謬
     3 企業リストラの誤解
     4 規制緩和論や企業リストラ論の有益性
    4節 何が目指すべき「均衡」なのか?

    第3章 不良債権問題の経済学 モラルハザードと信用収縮
    1節「不良債権問題」のミクロ経済学的理解
    2節 信用収縮スパイラル――マクロの外部不経済効果

    第4章 バランスシートの罠 日本経済が陥った「停滞均衡」
    1節 複数均衡のジレンマ
    2節「先送り」の発生
    3節「先送り」による「信頼の喪失」
    4節 ディスオーガニゼーションのメカニズム
    5節 実在した「ディズオーガニゼーション」
    6節 日本経済におけるディズオーガニゼーション
    7節 自己組織化プロセスとしての経済成長
    8節「先送り」が生むその他の弊害

    第5章 日本経済への処方箋 経済政策の「第三の道」
    1節 経済政策の「第三の道」
    2節「財政政策」としての不良債権直接償却
    3節 貸付債権取引市場の整備
    4節 企業金融の充実
    5節 不確実性の払拭――企業会計と行政手続
    6節 コーポレート・ガバナンスの回復

    第6章 これからの十年 四つのシナリオ
    1節 戦略I:現状維持の持久戦
     1 僥倖頼みの持久戦
     2 持久戦戦略の三つの欠陥
     3 すでに吹いている(た)「神風」
     4 これからのリスク
     5 あり得べきシナリオ――途上国型経済破綻
    2節 戦略II:調整インフレ政策の誘惑
     1 調整インフレによる経済回復のシナリオ
     2 調整インフレ論の落とし穴
     3 経済破綻と変わらない調整インフレ・シナリオ
    3節 戦略III:バンク・ホリデーによる強制的不良債権処理
     1 バンク・ホリデーによる「大恐慌からの脱出」
     2 日本の金融再生とフーバー大統領時代の米国
     3 危機再発と真の「金融再生」のシナリオ
     4 バンク・ホリデー戦略の難点
    4節 戦略IV:市場メカニズムによるバランスシート調整
     1「プラス・サム」のバランスシート調整戦略
     2 解決できないリスク――国のバランスシート
    5節 もう一つのシナリオ:国債累増による緩慢な破綻
     1 八〇年代:累積債務国の「失われた十年」
     2「新しいクラウディング・アウト」のシナリオ
     3 財政再建への道

    第7章 新たな経済理念・制度の構築に向けて ――既成概念、既成制度・組織の打破
    1節 既成の「仕切り」と現実経済社会とのギャップ
     1 二次言論的思考枠組みから生まれるギャップの解消
     2 固定観念によって生み出されるギャップの解消――新たな座標軸の構築
     3 リスク管理能力のギャップ解消――「神話」からの脱却
     4 制度的・組織的ギャップの解消――「仕切られた多元主義」からの離脱
     5 コミュニケーション・ギャップの解消――説明責任の遂行
    2節 新たな経済理念・制度の構築――パッチワークからグランド・デザインへ

    文庫版のための最終章 ――二〇〇一 ― 二〇〇九:日本再生から世界経済危機へ
    1節 日本経済はなぜ回復したのか
    2節 経済論争のその後――デフレと不良債権
    3節 世界金融危機――日本経済の罠との比較
    4節 恐慌後――世界経済への課題

    参考文献
    あとがき
    付録:デット・ディスオーガニゼーションの理論モデル

    解説――竹中平蔵

著者・監修者プロフィール

小林 慶一郎(こばやし けいいちろう)

慶應義塾大学経済学部教授
1991年、東京大学大学院計数工学科修士課程修了(工学修士)後、通商産業省入省。1995年9月シカゴ大学大学院経済学部博士課程に留学。1998年8月同大学より博士号(Ph.D)取得。通産省大臣官房政策審議室課長補佐、経済産業研究所上席研究員などを経て、2013年より現職。著書:『日本経済の罠』(共著、日経・経済図書文化賞受賞、2001年)『逃避の代償』(2003年)『財政と民主主義』(2017年)ほか。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

加藤 創太(かとう そうた)

東京財団常務理事(政策研究担当)、国際大学教授
1991年東京大学法学部卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省。ミシガン大学政治学部博土課程(Ph.D.)、ハーバード大学ビジネススクール修士課程(MBA、優等号受賞)修了。経済産業省国際経済課課長補佐、経済産業研究所上席研究員などを経て、2006年より国際大学教授。2016年より東京財団常務理事(政策研究担当)。著書に『日本経済の罠』(小林慶一郎との共著、日本経済新聞社、2001年、第44回日経・経済図書文化賞受賞)など。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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