小説の楽しみのひとつは、全体の流れや構造とは関係のない細部につまずくこと――書物の頁の風景を通して「読む」ことを綴った52篇

傍らにいた人

定価:本体2,000円+税
発売日:2018年11月05日
ISBN:978-4-532-17647-1
上製/四六判/264ページ
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おすすめのポイント

■堀江敏幸氏による、読書をめぐるエッセイ集。

■日経新聞土曜朝刊の連載随想が、待望の単行本化!
堀江敏幸さんがなれ親しんできた書物の頁の風景の中で、なにかの拍子によみがえってくる人の姿。「たいていはだれもが知っている人物の傍らの、淡い接触をしただけの存在で、顔の輪郭がはっきりしていないことさえあるのだが、思い出したらそのまま忘れて終わりというわけではなく、何年か経つと、べつの角度で刺激された記憶の片隅から、また不意にあらわれたりする。」「私は実際に、思い出されてはじめて、なるほどその折の景色のなかに目立たない見えない傍点が打たれていたのだと気づかされるような影たちと、何度も遭遇してきた。」――文芸作品の楽しみ、それは細部につまづくこと。「読む」ことをめぐる52篇。

目次

  1. 傍点のある風景――國木田独歩「忘れえぬ人々」
    ふたつの黒い影――安岡章太郎「夕陽の河岸」
    洗面器に入れて運ぶ――井伏鱒二「鯉」
    ハトロン紙の謝罪文――井伏鱒二「スガレ追ひ」
    乾いた言葉の粒で――マルセル・ムルージ『涙』『エンリコ』
    心に礫を浴びた傷として――瀧井孝作「父」(上)
    顔がとれさうなほどの哀しみ--瀧井孝作「父」(下)
    悲しみを運んで歩く――佐多稲子「水」

    ほか全52篇

著者・監修者プロフィール

堀江 敏幸(ほりえ としゆき)

作家
1964年岐阜県生まれ。99年『おぱらばん』で三島由紀夫賞。2001年「熊の敷石」で芥川賞。03年「スタンス・ドット」で川端康成文学賞、04年同作収録の『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞。06年『河岸忘日抄』で読売文学賞。10年『正弦曲線』で読売文学賞。12年『なずな』で伊藤整文学賞。13年『振り子で言葉を探るように』で毎日書評賞。16年『その姿の消し方』で野間文芸賞。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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