自然栽培はリンゴだけでなく農作物全般へ応用可能だ。木村秋則とその仲間たちが就農希望者や消費者を主な読者に無肥料・無農薬栽培とは何か、実践する際の注意点、全国各地からの事例報告、流通上の課題などを紹介する。

木村秋則と自然栽培の世界
無肥料・無農薬でここまでできる

木村秋則 責任編集
定価:本体1,500円+税
発売日:2010年06月28日
ISBN:978-4-532-16749-3
並製/A5判/272ページ
購入画面へ進む

おすすめのポイント

自然栽培はリンゴだけでなく農作物全般へ応用可能だ。木村秋則とその仲間たちが就農希望者や消費者を主な読者に無肥料・無農薬栽培とは何か、実践する際の注意点、全国各地からの事例報告、流通上の課題などを紹介する。

★木村秋則さんからのコメント★

今までこんな本あったでしょうか?
全国の仲間達と一緒に編集しました!

皆様には“りんごが教えてくれたこと”で大変お力を頂きありがとうございました。この本は数多くの失敗、挫折を繰り返しようやくりんごが実り、同時に私の栽培が理解受ける様になるまでが記されていました。農業関連書籍として前例ない発行部数を記録しています。そして全国から数え切れない程に励ましのお手紙をいただきまして感謝に堪えません。

そしてこの度、日本経済新聞社出版社から二冊目となります“木村秋則と自然栽培の世界”(定価=本体1500円+税)が7月発刊され全国の本屋さんに並んでいると思います。「無肥料・無農薬でなぜ野菜や果物が育つか?」の疑問を超え、私の提唱する栽培に賛同下さいました全国の実践農業者達が悪戦、苦闘を続け、安全な食の生産という高い意義を目標に取り組んでいる生の声を一冊の本にしました。私が責任編集の形をとっていますが、農業を知り過ぎる全国の仲間達がこれまでの常識を超えての未知への挑戦(これは正に自分=己への挑戦です)の真実のすばらしい原稿が寄せられ、仲間達が一緒になり出版しました。全国各地を指導に歩く度に自然栽培テキストの必要を痛感し、更に木村興農社とリンクするネイチャーズのネット上にも数多くの質問が寄せられ、この本で対談している木村興農社主任研究員の熊田浩生さんと話し合ってきました。

登場する27人の著者達は、私が提唱する自然栽培に命懸けで取り組まれている方々、また研究に余念のない方々ばかりで、失敗や成功例や、研究成果、更に流通の在り方等、たくさん掲載されています。自然栽培に対する関心は驚くほど急激な展開が進み、私一人ではもはや全国の要望に応え切れない現状になりました。この為に実施者の皆さんに時間の許す限り指導に歩く事をお願いしている次第です。私がこれまでやって来た事は全て正しいと思っていません。

階段一段上がっただけと思っています。この本の著者達はじめ大勢の人達が取り組む事で、更に進歩し完成した栽培技術が生まれると考えています。この栽培技術は個人のものでなく共有財産となり、各地に「木村式自然栽培研究会」が立ち上がってきました。数少ない人達の小さな改革がやがて大きなうねりになり、更なる栽培技術向上が期待されて地球環境保全にも大きく貢献できると確信しています。

この本には慣行栽培から転換して実施後の年数の少ない方から自然栽培を手中にしている方等キャリアに差はありますが、共通しているのは自然の営みを自分のドラマにしている様にみえます。今迄は考えられなかった大規模化も実施されてきました。北海道の折笠さんじゃがいもに取組み、今後30haに規模拡大する計画で進めています。これが起爆剤となり、北の大地に有志者がどんどん増えてきています。また、茨城県東海村で60haのさつまいも栽培に取組み、干し芋加工業を経営する照沼商店。私と同じで広大な畑を一挙に自然栽培に転換、壊滅的な減収を超えて“ほんもの”を追求しています。埼玉県では野菜を中心に関野幸生さん、渋谷正和さん達が、自然栽培を殆んど手中にして関東中心に指導的役割を果たしています。そして愛知県では碧南市の「棚宗サラダ農園」。姉妹で力を合わせ、当初の失敗に挫折する事なくにんじん、さつまいも、落花生などを慣行栽培と変わりないものを生産するまでに至りました。それから今や全国の米生産者から視察ある宮城県加美よつ葉農協。早くからお米と野菜の有機栽培に農協が「有機米生産部会」を設け取り組んできたが、長沼さん、一条さん中心に更なる飛躍を図り、私が提唱する自然栽培を全面支持下さいました。これを支えてきたのはあられ製造販売を営む(株)精華堂代表清水様であります。生産されたお米を仕入れ最も安心なる商品開発しました。この事が岡山県にも飛びました。回転寿司チェーンを経営する(株)やまと高橋啓一代表が中心に倉敷市農協、倉敷パールライス、農家達が協力し、農商工連携しての取組みが始まり、そしてNPO法人化して岡山県ぐるみの展開に向けスタートしました。この岡山県の取組みは全国のモデルになりつつあります。一方10年近くも私の栽培を科学的研究続けています弘前大学杉山教授はDNA利用した分子生物学手法が進み、自然栽培の解明研究が一段と進むだろうとの報告を受け、次世代の為にも楽しみにしています。最後は流通です。埼玉県に拠点を置きますサン・スマイル代表松浦様がこれまでの経験を丁寧に語っています。

30数年前に無知からスタートして、“かまどけし”の異名を受けましたが、今の姿を見ると夢の様です。100年以上も農薬無くして不可能と言われて来たりんご栽培歴史を考えると私は異常と言われても仕方ありません。栽培を変えよう。毎日の食を考えよう。と全国歩きもう20年近くになります。りんごが実るまで長い年月を費やしましたが、実りの無い時間に野菜、お米を実践していました。自然栽培は土つくりに時間は要しますが、誰もが出来る栽培で奇跡ではないのです。昨年アメリカ大気圏局の発表にありましたが、農家が利用する肥料・農薬は温暖化現象に拍車をかけている事を認識するべきで、異常気象が続くと一番困るのは農家です。今は慣行栽培の65%位まで生産技術も向上し、私が提唱する自然栽培も選択の一つと思う次第です。この本は実践者達が仕上げたもので、自然栽培の生の声であり、英知の結晶でもあります。専業農家だけでなく、家庭菜園を楽しまれている方、更には定年後農業を考えている方にぜひお勧めします。自然栽培は放任ではなく古代の農業でもありません。最先端農業の世界にぜひ触れてほしいと思います。この本を手にされて誰もが農業に誇りを覚えると思います。そして経済が低迷し夢が消えて行きそうな感じの毎日ですが、今の自分から一歩前へ踏み出す勇気が湧いて来ると思います。そしてこの本が皆様のお役に立てると確信しています。

目次

  1. もくじ

    はじめに
    第1部 これが自然栽培だ

    リンゴ本来の力を引き出す 木村秋則
    対談 なぜ,無肥料で育つのか 新しい農学が必要だ 木村秋則・熊田浩生
    自然栽培の科学に向けて 杉山修一
    固定種は自然栽培に向いている 野口勲
    対談 山に学ぶ、自然に学ぶ 斉藤晶・木村秋則

    第2部 自然栽培の現場から

    北海道ならではの大規模自然栽培に挑む 折笠健
    学校の田んぼに教えられて 福士英雄
    ようやく時代が向いてきた 成田陽一
    挑戦は始まったばかり 照沼勝浩
    皆様、お稲様、ありがとう 成澤之男
    対談 自然栽培は大変、でも楽しくてしょうがない  長沼太一・一條豊治
    地域全体を良くしたい 池田衞 
    もう一度自然界から学ぶときが来た 関野幸生
    今の目標は自然栽培で経営を成り立たせること 関谷和博
    お互いの良いところを認め、解決策を出し合いましょう 明石誠一
    試行錯誤から学んだたくさんのこと 渋谷正和
    挑戦4年目、「日本一の根粒菌」ができる畑でがんばってます 石川寛子・長野正野
    すっきりして深い自然栽培のお茶 松本和也

    第3部 広がる流通・商品づくり

    岡山で自然栽培の農商工連携急ぐ 高橋啓一
    木村人気に頼らない無肥料自然栽培を 松浦智紀
    自然栽培はまだ新芽時 福島徹
    まだまだ市場開拓の余地がある 清水精二
    20年前の木村さんのりんご畑 山崎隆

    第4部 硝酸態窒素と堆肥を考える

    硝酸態窒素のことをもっと知ろう 熊田浩生
    良い堆肥は土の香りがする 佐藤隆司
    おわりに

    <巻末付録> 自然栽培簡単マニュアル

著者・監修者プロフィール

木村 秋則(きむら あきのり)

リンゴ農家
1949年、青森県中津軽郡岩木町生まれ。弘前実業高校卒。川崎市のメーカーに集団就職するが、一年半で退職。71年より故郷に戻り、リンゴ栽培を中心とした農業に従事。農薬で家族が健康を害したことをきっかけに、78年頃から無農薬・無肥料栽培を模索。10年近く収穫ゼロになるなど苦難の道を歩みながら、ついに完全無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功する。現在、リンゴ栽培のかたわら、日本全国、海外で農業指導を続けている。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

同じジャンルの商品

もっと見る

now loading