日本経済を10年以上の長期停滞に追い込んだ最大の犯人は、構造問題か、財政金融政策の失敗か、それとも不良債権問題による金融機能の低下か。対立する論者が実証分析に基づき、意見をたたかわす論争の書。

論争 日本の経済危機
長期停滞の真因を解明する

定価:本体2,500円+税
発売日:2004年05月24日
ISBN:978-4-532-13271-2
上製/四六判/361ページ
購入画面へ進む

おすすめのポイント

日本経済を10年以上の長期停滞に追い込んだ最大の犯人は、構造問題か、財政金融政策の失敗か、それとも不良債権問題による金融機能の低下か。対立する論者が実証分析に基づき、意見をたたかわす論争の書。

●週刊東洋経済「2004年上半期ベスト経済書101冊」第2位!
●週刊東洋経済「2004年経済・経営書ベスト100」第9位!


目次

  1. 第I部 構造問題による生産性の低下が原因か

     1章 日本経済の長期停滞と供給サイド――宮川努
     1 「失われた10年」と経済論争
     2 供給サイドからの実証分析
     3 賃金の下方硬直性をめぐる解釈
     4 利潤率の低下と日本経済
     5 まとめと政策的課題

     2章 日本経済の長期停滞は構造問題が原因か――産業構造調整不良説の批判的検討――野口旭
     1 長期停滞をもたらす「構造問題」とは何か
     2 産業構造調整不良説の基本的論点とその問題点
     3 潜在成長率は本当に低下したのか
     4 総需要不足の結果としての擬似的構造問題
     5 問題は需要側か供給側か――宮川論文へのコメント
     6 真の問題は何か

    <Comment & Rejoinder>
      「生産性」の解明こそが、日本経済再生への的確なアプローチ――宮川努
    <Rejoinder>
      「生産性」改善は政策目標にならない――野口旭

    第II部 財政政策が不十分だったのが原因か

     3章 長期停滞期における財政政策の効果について――山家悠紀夫
     1 長期停滞の主要要因――需要面か供給面か
     2 長期停滞期の景気循環と財政政策
     3 若干の補足
     4 結論

     4章 長期停滞と90年代の財政運営――中里透・小西麻衣
     1 はじめに
     2 景気対策としての有効性
     3 財政構造改革の影響
     4 構造調整の遅れと非ケインズ効果
     5 政策思想の構造改革
     6 結論

    <Comment & Rejoinder>
      1997―1998年の景気下降と財政政策の効果――山家悠紀夫
    <Rejoinder>
      財政政策の影響は限定的――中里透

    第III部 金融緩和にさらにふみこむべきだったのか

     5章 金融政策の失敗が招いた長期停滞――岡田靖・飯田泰之
     1 長期停滞の原因についての2つの考え方
     2 「構造派」の問題点
     3 金融政策と長期停滞の理論的関係
     4 金融政策と長期停滞の実証的関係
     5 おわりに

     6章 不十分な金融緩和が長期停滞の原因か――渡辺努
     1 分析の視点
     2 実体経済からみた金融緩和の評価
     3 物価からみた金融緩和の評価
     4 まとめ
     5 岡田・飯田論文へのコメント

    <Comment & Rejoinder>
      渡辺論文へのコメントとリジョインダー――岡田靖・飯田泰之
    <Rejoinder>
      論争を通じて浮かび上がる論点――渡辺努

    第IV部 不良債権問題のインパクトはどれだけか

     7章 銀行機能の低下と90年代以降のデフレ停滞――「貸し渋り」説と「追い貸し」説の検討――宮尾龍蔵
     1 はじめに
     2 「貸し渋り」の存在とそのマクロ的影響
     3 「追い貸し」の存在とそのマクロ的影響
     4 全要素生産性、地価と長期停滞
     5 おわりに

     8章 銀行機能低下元凶説は説得力を持ちうるか――堀雅博・木滝秀彰
     1 はじめに
     2 不良債権問題・金融機能不全が長期停滞につながるメカニズム(仮説)
     3 銀行機能低下元凶説の要件とその妥当性
     4 銀行機能低下説の妥当性――地域別データ概観
     5 おわりに

    <Comment & Rejoinder>
      資産デフレの主要因は何か――「追い貸し」説・構造要因説の妥当性――宮尾龍蔵
    <Rejoinder>
      銀行機能の低下が生産性低下の「主因」であるとは考えがたい――堀雅博・木滝秀彰

    総括コメント 長期停滞はなぜ起こったのか――浜田宏一・堀内昭義
     1 長期停滞の原因と対応策――堀内昭義
     2 経済学の無理解が「深化させた」平成不況――浜田宏一
     3 長期停滞の理解で同意の得られたこと――浜田宏一・堀内昭義

    総括コメントに対する各章執筆者のリジョインダー

著者・監修者プロフィール

浜田 宏一(はまだ こういち)

エール大学経済学部教授。中央大学総合政策学部特任教授。前内閣府経済社会総合研究所所長。 <主な著書>『経済成長と国際資本移動』(東洋経済新報社、1967)、『金融』(共著、岩波書店、1974)、『金融政策と銀行行動』(共著、東洋経済新報社、1980)、『国際金融の政治経済学』(創文社、1982)(英訳:The Political Economy of International Monetary Interdependence,MIT Press、1985)

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

堀内 昭義(ほりうち あきよし)

中央大学総合政策学部教授。前東京大学経済学部教授。 <主な著書>『日本の金融政策』(東洋経済新報社、1980)、『現代日本の金融分析』(東京大学出版会、1992)、『日本経済と金融危機』(岩波書店、1999)、『インセンティブの経済学』(共著、有斐閣、2003)

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

内閣府経済社会総合研究所(ないかくふけいざいしゃかいそうごうけんきゅうじょ)

経済企画庁経済研究所を拡充して2001年1月に設立された内閣府の機関であり、内閣府のシンクタンクとして理論と政策の橋渡しをしている。経済政策、社会政策についての理論的及び実証的研究を行い、内閣府の他の部局と連携し、経済財政諮問会議の審議のための研究や、政策研究を担う人材の育成・研修に取り組んでいる。また、GDP統計に代表される種々の経済統計を作成、公表している。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

同じジャンルの商品

もっと見る

now loading