人工生命が生態系を創り出す――21世紀、人類は未曾有の世界に遭遇する。それは神となる科学者が生み出す危うい世界だ。科学思想の歴史を辿り、20世紀の科学革命が孕む可能性と危険性を明らかにする知的刺激の書。

神になる科学者たち
21世紀科学文明の危機

定価:本体1,800円+税
発売日:1999年12月14日
ISBN:978-4-532-14798-3
上製カバー巻/四六判/340ページ
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人工生命が生態系を創り出す――21世紀、人類は未曾有の世界に遭遇する。それは神となる科学者が生み出す危うい世界だ。科学思想の歴史を辿り、20世紀の科学革命が孕む可能性と危険性を明らかにする知的刺激の書。

目次

  1. はじめに

    プロローグ――非線形科学が問いかけるもの
     科学とは何か/宇宙の次に生物/解かれていない生物の進化/
     数学は科学の心/恋心は非線形/籠に入らない紙風船/
     複雑・混沌に科学のメス/無限に答えがある連立方程式/
     間違いだらけだった自然観/ドラえもんは実在する?

    第一章 衝撃的な未来――神になる科学者たち
     半世紀後に人工生命 /予言する科学者たち/本番迎えた生命改造/
     「聖域」なき生命操作/発端はデカルトの二元論/動物機械論の進展/
     後退した生気論/生命の躍動も物質から/
     物質としての脳と心/人工知能から人工脳へ

    第二章 フォン・ノイマンの夢――人工生命への道
     自己複製への挑戦/セル・オートマトンの発明/ライフゲームの
     大流行/人工生命の”啓示”/「あり得たであろう生命」/
     発見された生命の場/群れて飛ぶ人工の鳥たち/新しい進化メカニズム/
     人工進化システム「ティエラ」/ティエラが生んだ人工脳

    第三章 生命の躍動と非線形科学
     非線形系の不思議な反応/ベナール対流と柱状節理/ソリトンと光通信/
     自己触媒・双安定・分岐/カオスとは何か/秩序とアトラクター/
     予測できない未来/カオス工学の誕生/非線形系に潜む単純原理

    第四章 アリストテレスの遺産
     近代科学の母胎/素朴な自然観/月下界と天上界の運動法則/
     プトレマイオスの宇宙論/媒質と運動――真空の否定/
     アラビアに伝わった自然学/アリストテレス・スコラ学の誕生/
     桎梏からの脱却/キリスト教が育んだ自然学/ギリシャで確立した数学/
     新プラトン主義の台頭/常識を超越した科学革命/運動を時間で
     記述したガリレオ/「仮説を立てた」ニュートン

    第五章 科学を生んだヨーロッパの思想
     数学は証明の学/プラトンのイデア論と数学/アリストテレスの論理学/
     妥協なき知の体系化/行き着く先は究極理論/科学は「美」を求める/
     近代科学を生んだ実験/実験主義のルーツ/科学の基礎に弁証法

    第六章 近・現代科学と二十一世紀の思想
     機械論的世界観/ニュートンとデカルトの機械論/分析主義と要素主義/
     全体は部分の総和か/因果律と決定論/崩壊した決定論と因果律/
     二十世紀初めの大波乱/理性の限界と不可知/数学の危機/
     ヒルベルトの夢をつぶしたゲーデル/
     ハイゼンベルクと自然観革命/新・科学革命の世紀

    第七章 科学の営為とは、科学者とは何か
     キリスト教と自然学/宇宙は第二の書物/創世記の世界観と
     自然支配/真理の把握に実験と帰納/神離れの進行/自然探究者と神学/
     転換期の十七世紀/変わる知の調達者/工学の台頭/
     科学者の行動様式

    第八章 科学文明の影―― 問われる科学者の社会的責任
     登場した毒ガス兵器/物理学者と原爆開発/科学者の良心/
     開発の虜になった科学者たち/軍産学連携の新時代/
     研究モラトリアム/ゴードン会議の波紋/社会による科学の管理/
     道義的責任と法的責任/古き良き時代の終焉

    第九章 求められる「科学の進化」
     物質欲から心の豊かさへ/欲望を拡大・再生産する科学/
     生殖医療と膨張するニーズ/科学技術は解決すべき課題を増やす/
     「無知の拡大」/人類存亡のカギを握る科学/進む感覚麻痺/
     より賢く生きる知恵と科学/非線形科学への期待/
     「地球丸ごと設計」の懸念/求められる「科学の進化」/
     中国医学の知恵と機能主義/「目的と価値」の転換が焦点/
     科学を民主・公開原則の下に

    おわりに

    主な参考文献・引用文献
    人名索引
    事項索引

著者・監修者プロフィール

上岡 義雄(かみおか よしお)

1947年生まれ。70年早稲田大学理工学部卒。日本経済新聞社に入社し、主に原子力問題、環境問題、学術・産業技術政策をカバー。日経サイエンス編集長・出版局科学出版部長、編集局科学技術部長を経て、現在日経産業消費研究所事務局長。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。 <主な著書>『テラスで読む地球環境読本』(共著、日本経済新聞社、1990年)など

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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