中国への返還から20年、否応なしに本土との一体化が進む香港。元植民地に対する本土の視線、理想と現実の隔絶から将来を見通す。

香港
返還20年の相克

定価:本体1,800円+税
発売日:2017年06月23日
ISBN:978-4-532-35733-7
並製/四六判/264ページ
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おすすめのポイント

中国への返還から20年、否応なしに本土との一体化が進む香港。元植民地に対する本土の視線、理想と現実の隔絶から将来を見通す。

英国から中国への返還が実現して20年。東洋の真珠とも呼ばれる世界的なフリーポートは、返還後も中国本土へのゲートウェイとして優位性を誇示してきた。

しかし、経済は中国本土に圧倒され、返還時に約束された「一国二制度」は「一国一制度」へと収斂しつつある。習近平政権は香港の自由を実力で奪い、各方面で対立が表面化。一部の若者からは「独立」の声もあがる。

上海、北京、広州など中国本土が急成長するなか、香港の相対的な地位低下が続いている。中国の国内総生産に占める香港の割合は3パーセントを割った。製造業は、コスト競争力はもとより、研究開発でも本土の後塵を拝す。国際金融センターとしての相対的地位は健在だが、行政の介入がマイナスに作用。傘下の本社登記地をケイマン諸島に移した李嘉誠など、大富豪たちの動静にもこれまでとは違う変化の兆しが見られる。英国流の教育制度は排除され、英語を話せる香港人も減少の一途をたどるなど、香港の優位性を支える基盤にも軋みが見られる。数多くの興味深いエピソード、背後にある文化や制度の変容から、混沌とも雑然とも形容される香港の実像を浮き彫りにする。

香港返還から今日に至る政治、経済、社会の深層に迫り、あらためて返還の意義を考えるとともに、今後の中国に対する視座を与える一冊。

目次

  1. 序 章 愛される都市

    第1章 香港返還前史

    第2章 共存共栄関係の終焉

    第3章 形骸化する一国二制度

    第4章 累積した経済政策の誤り

    第5章 迷走する民主化と軽量化する行政長官

    第6章 劣化する国際経済都市

    終 章 竜宮城のリニューアル

著者・監修者プロフィール

遊川 和郎(ゆかわ かずお)

亜細亜大学アジア研究所教授
1959年広島県生まれ。東京外国語大学中国語科卒。1981-83年上海復旦大学留学。1991-94年、外務省専門調査員として在香港日本国総領事館で香港・中国の経済関係を中心に調査研究。(株)日興リサーチセンター上海駐在員事務所長、在中国日本国大使館経済部専門調査員、北海道大学准教授、同大学大学院教授等を経て現職。著書に『中国を知る』(日経文庫)など。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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