物価下落は日本から先進国全体へ広がり長期デフレ時代が到来する。超低金利下の過剰流動性増大は新たな資産バブルと景気失速を招くだけ。2003年に刊行した、恐ろしいほど予測が的中している親本を増補・文庫化。

100年デフレ
21世紀はバブル多発型物価下落の時代

定価:本体857円+税
発売日:2009年04月03日
ISBN:978-4-532-19488-8
並製/A6判/448ページ
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物価下落は日本から先進国全体へ広がり長期デフレ時代が到来する。超低金利下の過剰流動性増大は新たな資産バブルと景気失速を招くだけ。2003年に刊行した、恐ろしいほど予測が的中している親本を増補・文庫化。

目次

  1. はじめに

    プロローグ デフレの世紀が始まった
    九七年新たな「金利の歴史」が始まった/「歴史の峠」で生じた不況/インフレは貨幣現象か?/歴史家や作家の心眼/グローバル化がもたらす主権国家の後退/時代の流れには逆らえない

    第 I 章 歴史の中のデフレ現象
    1 五〇〇年ぶりの断絶点
    デフレは日本だけの異例な現象ではない/九一年は三度目の歴史の断絶点/二度目の断絶点は一六世紀か一八世紀か/世界帝国対世界経済/一六世紀に誕生した近代資本主義と主権国家/絶対王政から国民国家までの連続性/中世末の危機と二〇世紀末の危機
    2 危機の本質は利潤率の低下にある
    二一世紀と一六世紀の類似性/成功のゆえの危機/中世「労働の黄金時代」の再現/大きな政府への移行/賃金抑制という反革命/物価と実質賃金との関係
    3中世以降四回のデフレを比較する
    デフレとグローバリゼーションの関係/一七世紀―ヨーロッパの市場統一による内外価格差縮小/一九世紀―鉄道と運河がもたらす環大西洋市場統一/一九世紀の英国大不況は神話か/二一世紀―地理的な限界を突破する真の市場統一/日本のデフレは最長記録を更新中/二〇世紀末の利子率革命/スペイン帝国からの教訓

    第 II 章 止まらない物価下落圧力
    1 戦前デフレと根本的に異なる現在のデフレ
    二つのデフレの同時進行/下落テンポが緩やかな今回のデフレ/昭和恐慌時との違い/デフレの前に必ず生じるインフレ/物価決定の三つの要因/物価をマネタリー要因で説明できないのは日本だけではない/日本の物価下落は供給サイド要因
    2 変質するマネーのメカニズム
    九五年以降成立しなくなった「貨幣の中立性」/資産インフレを含めるとインフレは貨幣現象/断層的な世界の供給力増加/消費低迷はデフレのためではない/デフレの何が問題か/日本の将来を誰に託すのか
    3先進国全体へ広がるデフレ
    先進国と途上国間の物価体系が一体化/為替調整なき一六〇カ国の市場統一/IT革命と日本の特殊性がもたらす物価下落/過去二回の技術革新の効果を上回るIT革命/収斂する先進国の実質金利/自国の貯蓄から解放された投資

    第 III 章 日米のバブル崩壊を比較する
    1 日米のバブル崩壊は似て非なるもの
    米国株式市場のバブル崩壊/四〇年先まで織り込んだ米国株と七年先で終わった日本株/一六世紀利潤革命の再来/二一世紀「株価革命」のつまずき/よみがえる八〇年前の警告
    2 強いドル・米国株式本位制・日本国債本位制の三位一体
    金融帝国を実現させた「強いドルは国益」政策/外国の貯蓄という脅威に悩まされた米国/経常赤字から解放された長期金利/「世界の投資銀行」の完成―サマーズ長官の経済勝利宣言/バブル化した米国株とドル/他1項目
    3 利潤革命に出遅れた日本―国も民間も非効率化
    ますます強化される日本の国債本位制/異常な公共投資の突出/民間部門が非効率化した九〇年代/「労働の黄金時代」にとどめをさす米国のデフレ/デフレ革命を予兆される利子率革命

    第 IV 章 すでに整いつつある一〇〇年デフレの条件
    1 「世界の工場」中国の大波
    デフレの時代の三条件/第一の条件―市場経済圏の非連続的拡大/需給ギャップ是正には一〇〇年単位の時間が必要/第二の条件―世界最低賃金と世界最高技術の結合/第三の条件―為替調整抜きの大競争/今までのペースが続けば為替調整に四八年必要/呉越同舟の米中
    2 為替切り下げはデフレ脱却に効果なし
    通貨が四分の一になっても生じた一七世紀のデフレ/消費国・米国のデフレ化/期待形成が六〇年以前へ回帰/中国もドイツもデフレに/工業製品価格とサービス価格が同時下落する
    3 米中の狭間で取り残される日本
    脱却すべきは二〇世紀型思考/「世界の工場」三度目の移転の意味/購買力換算のGDPで中国は二〇二〇年までに世界一も/日本の土地神話・賃金神話の崩壊

    第 V 章 バブル多発時代と「見えない内戦」
    1 日本に「歴史の峠」を越える意思はあるか
    一五五七年以来の財政危機/「世界一の借金王」と「遅れてきたケインジアン」が残したもの/失われた財政の持続性/ケインズも驚く積極財政/「改革」なしに年〇・五%成長ができるのか/歴史の危機に必ず生じる「シュンペーター的財政赤字」/研究開発費が増えても生産性が高まらない/時代を読み間違えた国の行く末
    2 生産性革命が起きない
    「同時多発バブル時代」の到来/資本主義プロセスが止まった国/お題目にすぎなかった資本効率重視の経営/景気回復優先策の矛盾/「ニチベイ経済」の逆転/売上高減少はデフレが主因ではない/規制緩和で歴史の峠を越えた米国
    3 「見えない内戦」を越えて
    日本が失った「戦後五〇年」/問われているのは大人たちの価値観/「国家の退場」による不安/勇気をもって現実直視を

    文庫版のためのあとがき
    注釈
    参考文献

著者・監修者プロフィール

水野 和夫(みずの かずお)

日本大学国際関係学部教授。1953年愛知県生まれ。77年早稲田大学政治経済学部卒業。80年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。同年八千代証券(国際証券、三菱証券を経て現三菱UFJ証券)入社。98年金融市場調査部長、99年チーフエコノミスト、2000年執行役員、02年理事・リサーチ本部チーフエコノミスト、05年より三菱UFJ証券チーフエコノミスト。10年、内閣府官房審議官を経て13年より現職。著書に『100年デフレ』『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』など多数。


※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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