「チリツモ」でお金を減らさない! メインバンクは賢く選ぶ

投資よりも大切な「お金の考え方」:第4回

臼井由妃(著述家、講演家、熱海市観光宣伝大使)

 お金を増やそうと、投資をはじめる方も多いと思います。しかし、投資をする前に、まず「お金の考え方」を見直してみてはと、ベストセラー『やりたいことを全部やる!時間術』の著者、臼井由妃さんは話します。本連載では、その「考え方」について、多額の負債を抱えていた会社を年商23億円の優良企業へと立て直された経歴をお持ちの、臼井由妃さんのお話をお届けします。

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銀行を棚卸ししてみる

 まとまったお金は手元に置かず、金融機関にお金を預け、必要な時にATMからお金を下ろす方が大半だと思います。昨今は、金利に期待が持てず金庫を購入し手元に大金を保管している方も増えてきているといいますが、盗難や火事、地震等を考えれば、お金は、金融機関に預けるのが安心で安全という方が主流でしょう。

 しかし、金融機関の経営がいっそう厳さを増す中、口座の管理コスト、つまりシステム費用やそれに関する人件費が負担となっています。そこで金融機関は、一定期間取引の発生していないいわゆる「休眠口座」に対して、手数料を課すという動きが出ており、メガバンクから信用金庫など地方金融機関にまで広がっています。これからの時代、金融機関をうまく使っていかないと、結果、お金を増やすどころか減らしてしまうという本末転倒になりかねません。これを機会に、銀行を棚卸ししてみてはいかがでしょうか?

 では、あなたはどんな金融機関とお付き合いをしていますか? 給与振り込み用として会社から指定された金融機関を、入社以来ずっと使い続けている方、銀行勤務の友人から頼まれ定期預金の口座を開設した方、融資を受けるために地元の信用金庫と懇意にしている方、信用力の高さから三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の3つのメガバンクを選択している方など、さまざまですよね。

 確かに、メガバンクは安全性の面では国内でトップクラスと言えるでしょうが、地方では1県1支店だったり、支店がなく銀行ATMが少ない地域も存在します。そのため地方では、該当する県に本店がある地域密着型営業を展開する地方銀行や信用金庫のほうが、利便性があり、メガバンクが選択肢にならないこともあります。

あなたは、手数料で損をしていませんか?

 近くにあるコンビニや提携金融機関のATMは便利ですが、利用制限も多く、営業時間外ではATM手数料が差し引かれる場合も少なくありません。出金、他行への振り込み、預け入れを何度も行っていると、預金金利どころか、お金がどんどん減ってしまいます。金利や資産運用のことを考える前に、まず「不利益にならないようにするには、どうしたらいいのか?」という視点を最優先に金融機関を選ぶ。私はこれを大切にしています。

 メガバンクでは基本、平日の8時45分から18時ぐらいまでしか、手数料無料でお金を下ろすことができません。しかし平日のこの時間は仕事中で、お昼休みを利用したり早めに仕事を終えたりしないと、お金を下ろしにくいでしょう。この機会を逃すと、必然的に休日や夜間にお金を下ろすことになって、手数料を取られてしまいかねません。

 自分の預けているお金を下ろすだけで、必要以上にお金が減ってしまうなんておかしいと思いませんか? 極端な話、平日の18時1分にお金を下ろせば、手数料が110~220円になってしまう。ムダ遣い以外の何ものでもありませんし、度重なれば、昼食代をまかなえるくらいの無視できない金額になります。ちりも積もれば……「チリツモ」で増えればよいですが、どんどん減ったら意味がありません。

 私は熱海に居を構えるまで、銀行の手数料には無関心でした。何の迷いもなく自宅があった恵比寿や事務所を置いていた銀座に立ち並ぶメガバンクを利用していました。ところが、熱海にはメガバンクがありません。

 当初は、仕事で東京に出かけた際にメガバンクを利用していました。ところが、母が熱海で緊急入院。まとまったお金が必要となり、メガバンクと提携している地元の銀行でお金を下ろすことになりました。その際、「必要とするお金以上のものが減っていく不条理が許せない」と考えるようになったのです。

 また銀行の窓口やATMに並んで、お金の振り込みをするわずらわしさも何とかしたい。時間が掛かるし、手数料も取られる。自分の貴重な時間を使っている上に、お金まで取られるということに、違和感を覚えるようになりました。特に25日や月曜日、月末にお金を振り込みに行くと、大行列が待ち構えています。ATMに不慣れなお年寄りは何度もやり直しをしたり、一人で何件もの振り込みをしたりする人もいます。

お金と時間のムダ遣いをなくす

 こうした手数料と時間のムダ遣いという2つの問題を解決することはできないだろうか? そこで目をつけたのがネット銀行です。ネット銀行はコンビニと提携しているところもあり、条件付きですが、手数料無料でお金を下ろせます。曜日や時間帯を気にすることなく下ろせるのです。条件は、月に3~10回程度まで無料というところが多いので、よほど頻繁にお金を下ろさない限りはATM手数料を一切払わずに済ますことができます。

 また、ゆうちょ銀行のATMは、時間や曜日に関係なく手数料無料で下ろせるので助かります。ゆうちょ銀行やコンビニのATMの数はとても多いですから、見逃せませんね。

 次に振り込みですが、ネット銀行を使えば、いつでもどこでも自分の好きな時に振り込むことができます。しかも手数料が安く、中には無料というケースまであります。たとえば、新生銀行では、口座を持っているだけで、無条件で月1回までは他行へのインターネットでの振込手数料が無料になります。

 預けている資産額によってこの回数を増やすことができるといった、段階制の仕組みがあり、金融機関によっては、給与振り込み、年金受け取り、ローンや投資商品の申し込みなどで、優遇措置を設けているところが多いのです。

 これから銀行を選ぶ時は、ATM手数料も含めて、余計なお金を払うことにならないよう、なるべく手数料無料になるところを「メインバンク」に選ぶという視点も持ちましょう。最近では、メガバンクでも、支店の統廃合などによるサービス低下を防ぐため、インターネットバンキングの提供を始めていますので、いろいろと比較してみるとよいでしょう。

 ちなみに私は、地方銀行とネット銀行を使い分けています。資産形成に少しでも得になる「金利優遇措置」や「定期預金プレゼントキャンペーン」などの情報は、銀行員さんから直接仕入れ、活用しています。先日、少額で定期預金を始めたところ、キャンペーンに当選し、3カ月後にクオカードをいただきました。それを金利に換算すると、5年満期でも得られない金額を一気に手に入れたことになりました。

 こういうこともありますから、地元の金融機関とのお付き合いも、大切にしたほうがいいですね。


 次回は、「趣味をお金に変える発想」です。お楽しみに!


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