第20回 ダースベーダーのキーホルダー

大宮エリーのなんでコレ買ったぁ!? リターンズ

大宮エリー

キーホルダーが好きだ。なぜ買ってしまうのか。うーん、おかしい、辻褄が合わない。鍵につけるとしても、そんなに鍵、ない。事務所の鍵、自転車の鍵、家の鍵、それくらいだろう。多い人でもプラスして倉庫の鍵とかアトリエの鍵とか恋人の家の鍵とかそんなもんだろう。でもそれぞれの鍵にキーホルダーをつけるというより、1つのキーホルダーにいろんな鍵をつけるのが普通だろう。ということは、だ。

前回、太いキャラボールペンのことは書いた。あれは、書けばインクがなくなるので数があってもまあいい。でもどうだろう。キーホルダーは消耗品ではない。だからこんなに数は必要ないのだ。いま、現在、数えたら家にはキーホルダーが14個あった。大きいものが4つ。すごく長いものが4つ。ふわふわしたものが3つ。重いものが2つ。ティファニーというブランド物が1つ。それに、事務所のプレゼント用箱から発見された、レゴのキーホルダー2つ、スターウォーズのキーホルダー3つ。合わせて19個ではないか!

ただ、すごく必要になることがある。しかもそのとき、「やっぱり買っておいてよかった!」と思う。それは、鍵をなくしたとき、である。鍵をなくして、ああ!と思い、私の鍵と同じものを持っているおかんに電話をする。「ごめん、なくしたわ! スペア作って欲しい!」「あいよ!」おかんが後日、新しい鍵をくれる。「もぉーー無くしなや!」と念をおされる。でも、新しい鍵ってなんだかウキウキする。といっても家の鍵であることには変わりないので、これが新しい鍵だぞ! と認識される瞬間というのは、新しいキーホルダーをつけるときなのだ。

そして鍵というのはある日突然なくなるのだから、キーホルダーだって買いに行っている暇はない。そこで! ほら、こんなにある! 選べる! となってにんまりするのだ。最近つけたのは、これ、いつ使うんだよ? と思っていたビビアンタムというファッションブランドのセールで買った大きなパンダのキーホルダー。ちょうど、気分だった。「これをつけてみよう」。こんなでかいのどうするんだと思っていたけど、こんくらいのをつければなくすこともないだろう。

ということで、スマホよりもでかいパンダのキーホルダーを持ち歩いている。鍵をよくなくす私にとっては、キーホルダーは消耗品なのかもしれないのだ。

事務所を整理していたら出て来た新しいキーホルダー。レゴの色違いはいいとしても、ダースベーダーをどうして2体も買ってしまったんだろうか。きっと気に入ったんだろう。ダースベーダーを、あ!あってよかった! とぶらさげる時が来るのかは、今のところ疑問である。

 

■『なんとか生きてますッ』(新潮文庫)刊行記念
トーク&サイン会のお知らせ
11月8日(木) 18:45開場/19:00 開演 
場所:紀伊国屋書店 新宿本店 9F イベントスペース
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/20181025150016.html

 

 

撮影:諸井純二

大宮エリー おおみや えりー/Ellie Omiya
作家、演出家、画家、ラジオパーソナリティー、脚本家、CMディレクターなどボーダレスに活動。

主な著書は、『生きるコント』(文春文庫)、『なんとか生きてますッ 』(毎日新聞出版)、コンプレックスが解消する短編集『猫のマルモ』(小学館)、『思いを伝えるということ』(文春文庫)、心の洗濯ができる写真集『見えないものが教えてくれたこと』(毎日新聞出版)など。そして最新刊『なんでこうなるのッ?!』(毎日新聞出版)が好評発売中。
現在、「朝日中高生新聞」「シティリビング」にて連載を担当。
2012年よりPARCOミュージアムにて「思いを伝えるということ展」という体験型のインスタレーションを発表、アート活動をスタートさせる。
近年では画家としても活動。昨年は十和田市現代美術館にて美術館での初の個展「シンシアリー・ユアーズ」を開催。
2017年は福井県 金津創作の森にて個展を開催。愛媛県の芸術祭、道後オンセナート2018、六甲ミーツアート2018に参加。

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