第19回 太いキャラボールペン

大宮エリーのなんでコレ買ったぁ!? リターンズ

大宮エリー

お土産やさんや地方のコンビニ、ドライブインで売っている、太いキャラボールペン。見るとつい買ってしまう。

なぜか。使ったためしがないのに買ってしまうのはなぜか。ポケモン知らないのに、ポケモンのキャラボールペン買ってしまうのはなぜか。芯を出すのにノックする、ペンの頭の部分になにかあると、そこに惹かれてしまう。

この場合(写真左)、目玉がついているのだけれど、この目玉が、ポケモンのなかの何なのか。ボディーの部分にピカチュウがいたので、これはピカチュウの仲間の何かなのかなと思ったが、もしかしたら、目玉ではなく、CDなのかもしれないしよくわからない。が、まず、太いボールペンというのが握りやすくていいなと思ってしまう。それから頭の部分がミッキーだったり、何かがついてるのが好きだ。

ちなみにこの、緑で目がたくさんついているキャラに惹かれた(左真中)。けれどこの文章を書くために初めて、こいつが何なのかを調べた。検索も、こいつがディズニーであることはなんとなくわかっていたので、ディズニー、緑、目がたくさん、といれた。するとTOY STORYのキャラでリトルグリーンメンということがわかった。そんくらいの知らなさで買ってしまうけれど、キャラならなんでも良いわけではない。少し気持ち悪いのが好きかもしれない。プーさんがついていても買わなかったと思う。少し、ん?とか、ギョッとするのがいい。

ミッキーは、そういう意味では物足りないのだが、やはりでかいのが頭についてると手にとってしまう。実際、京都に行ったときに土産物屋で、ボディーが着物、ノックするところが舞妓さんの頭になっているのがあったから、すごくすごく欲しかったけれど、思いとどまった。だって、使ってないのを知っていたから。

ここでピカチュウの目玉のキャラがあるのか調べてみたが、なくて、困惑してたら、ポケモンGOのOがこの目玉のマークだった。ロゴマークなのか? さらに検索するうちにこれが、ポケモンが生まれる、ボケモンボールであることを知る。私、全然、ポケモン、知らないんだなということを知る。それなのに2本も買ってる。ノック部分が、ポケモンボールであることを知らずに。ただ、よく知らない、でも観たことあるってのを買うのが楽しいのもわかった。知らないで使っているという少し外国人っぽい遊びというか。でも、使ってないじゃん!

 

撮影:諸井純二

大宮エリー おおみや えりー/Ellie Omiya
作家、演出家、画家、ラジオパーソナリティー、脚本家、CMディレクターなどボーダレスに活動。

主な著書は、『生きるコント』(文春文庫)、『なんとか生きてますッ 』(毎日新聞出版)、コンプレックスが解消する短編集『猫のマルモ』(小学館)、『思いを伝えるということ』(文春文庫)、心の洗濯ができる写真集『見えないものが教えてくれたこと』(毎日新聞出版)など。そして最新刊『なんでこうなるのッ?!』(毎日新聞出版)が好評発売中。
現在、「朝日中高生新聞」「シティリビング」にて連載を担当。
2012年よりPARCOミュージアムにて「思いを伝えるということ展」という体験型のインスタレーションを発表、アート活動をスタートさせる。
近年では画家としても活動。昨年は十和田市現代美術館にて美術館での初の個展「シンシアリー・ユアーズ」を開催。
2017年は福井県 金津創作の森にて個展を開催。愛媛県の芸術祭、道後オンセナート2018、六甲ミーツアート2018に参加。

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