第11回 輪ゴム鉄砲

大宮エリーのなんでコレ買ったぁ!? リターンズ

大宮エリー

これ、自信作である! というか、作ったわけではないので自信のあるコレクションである!

水鉄砲が好きな私、シャボン玉を作るやつが好きな私、やっぱり、空を舞うものが好きなのである。これ、懐かしいでしょう? 小さい頃作りましたよね、割り箸で。割り箸を組み合わせてゴムで縛って、そしてひっかけて、飛ばす、、のだけれど、はて、どうやってその鉄砲を作ったか定かではない。もう2度と作ることが出来ない輪ゴム鉄砲。それが、なんと! おしゃれなプラスティックになって売っていたのである!

薄っぺらいから、持ち運びも便利。そっとスーツの内ポケットに忍ばせておいて、パーティーかなにかで、すっとだして、撃つと、きっと喜ばれますよね? え、喜ばれない? そうかぁ、、。そんなもんですかね。せちがらい世の中だ。私はこういうのが大好きなのだが。まあ、撃たれた方は、少しムッとするかもしれない。そこはご愛嬌。すごく偉い方で紳士で、でも胸ポケットにおしゃれなチーフではなくて遊び心たっぷりに輪ゴム鉄砲が入っていたら?? たとえば、ルイ・ヴィトンの社長、ヴーヴ・クリコの社長、、どうだろう、どうだろう。イギリスの貴族、社交界で、どうだろう、どうだろう。想像してみた。

で、結論。…やですね、やっぱり。

やめよう。人にこれをあげるのはやめよう。なんか変だ。変に思われるわ。ということは淑女でも貴婦人でも美人でもない私が、なにかのパーティーでおしゃれして、おすましして、この輪ゴム鉄砲を胸に差していたら、えげつないくらい変人に見えるのだろう。

だから封を開けられずにいる。開けちゃうと価値が下がる気がするのだ。でもよく写真を見て欲しい。80円というポップな金額だから仕方ないのだが、もう破れている。嗚呼!

でも、どこかできっと、この輪ゴム鉄砲を持っていることが、少し変わった人、ではなくて、チャーミングな人、として映るシーンがあると思うのだ。それを私はずっと待っているのであった。

見つけた人、教えて!

 

撮影:諸井純二

大宮エリー おおみや えりー/Ellie Omiya
作家、演出家、画家、ラジオパーソナリティー、脚本家、CMディレクターなどボーダレスに活動。

主な著書は、『生きるコント』(文春文庫)、『なんとか生きてますッ 』(毎日新聞出版)、コンプレックスが解消する短編集『猫のマルモ』(小学館)、『思いを伝えるということ』(文春文庫)、心の洗濯ができる写真集『見えないものが教えてくれたこと』(毎日新聞出版)など。そして最新刊『なんでこうなるのッ?!』(毎日新聞出版)が好評発売中。
現在、「サンデー毎日」「朝日中高生新聞」「シティリビング」にて連載を担当。
2012年よりPARCOミュージアムにて「思いを伝えるということ展」という体験型のインスタレーションを発表、アート活動をスタートさせる。
近年では画家としても活動。昨年は十和田市現代美術館にて美術館での初の個展「シンシアリー・ユアーズ」を開催。
2017年は福井県 金津創作の森にて個展を開催。愛媛県の芸術祭、道後オンセナート2018、六甲ミーツアート2018に参加。

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