第10回 お風呂に浮かべるおしゃれ輸入おもちゃ

大宮エリーのなんでコレ買ったぁ!? リターンズ

大宮エリー

お風呂グッズに弱いんだと思う。お風呂で浮かべて遊ぶやつを買ってしまう癖がある。とくに自力で泳ぐやつだ。ネジをぎいぎいと巻いて風呂に浮かべるとプロペラが回るプラスティックのやつがあったと思う。クジラだったりアヒルだったりワニだったり。

なんで大人になってまで買うのかなと考えて、以前は、そういう幼児用のものを買うのは子供の頃遊びが足りてなかったからだと思っていた。鍵っ子だったり、親が共働きだったから、そういう「足りない!」とか「もっと遊んで!構って!」という幼き頃の恨みつらみが私にこういう幼稚なものを買わせてるんだと思った。

でも、でも、最近、ふと違うかもしれないという疑念が。もしかしたら、私、今も、幼いのかも!今も気持ちが3歳児説が浮上。誰かに言われたのだ。「3歳児みたいだね」と。ワンピースを着ていても地べたに足を投げ出して座ってしまうとか。レストランでも足が蒸れてくるとそっと気づかれないように裸足になるとか。原っぱを見ると寝転がりたくなるとか。気持ちは3歳児の42歳である。どうしよう、、。

だから、シャボン玉とか磁石で消せる落書きボードとか買ってしまうのだけれど、このお風呂で浮かべるやつは、自宅で楽しめるし大人がやっていてもいいように思う。だから買いやすい。よく地方のドライブインとかで売っているプラスティックのやつがあるけど、なんとおしゃれ雑貨屋さんで、同じようなものを見つけた。

けれど、さすがおしゃれ、輸入物が多い店だけある。プラスティックではないのだ。ウッドなのである。そして風船で走るのだ。なんておしゃれ、なんてロマンティック。これを見つけた時大いにはしゃいだ。そして自分用と誰かにプレゼントする用に買った。

でも、自分用はなんだかもったいなくて使えなくなってしまった。開けると価値が落ちる気がして。この価値というのは、自分の中でのものである。こういうものの値段が上がることはないわけで、プリンにスプーンをさしてしまうと、少し価値が下がる(ように思う)のと似ている。だから、これが動くかどうかわからないし、もう開けたところで、風船のゴムは伸びていると思う。なら、もう、なんでこれ買った?教訓は、おもちゃはおしゃれじゃだめ、ということ!

 

撮影:諸井純二

大宮エリー おおみや えりー/Ellie Omiya
作家、演出家、画家、ラジオパーソナリティー、脚本家、CMディレクターなどボーダレスに活動。

主な著書は、『生きるコント』(文春文庫)、『なんとか生きてますッ 』(毎日新聞出版)、コンプレックスが解消する短編集『猫のマルモ』(小学館)、『思いを伝えるということ』(文春文庫)、心の洗濯ができる写真集『見えないものが教えてくれたこと』(毎日新聞出版)など。そして最新刊『なんでこうなるのッ?!』(毎日新聞出版)が好評発売中。
現在、「サンデー毎日」「朝日中高生新聞」「シティリビング」にて連載を担当。
2012年よりPARCOミュージアムにて「思いを伝えるということ展」という体験型のインスタレーションを発表、アート活動をスタートさせる。
近年では画家としても活動。昨年は十和田市現代美術館にて美術館での初の個展「シンシアリー・ユアーズ」を開催。
2017年は福井県 金津創作の森にて個展を開催。愛媛県の芸術祭、道後オンセナート2018、六甲ミーツアート2018に参加。

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