第9回 財布

大宮エリーのなんでコレ買ったぁ!? リターンズ

大宮エリー

これ、なに?と言われる。スポーツメーカーの財布。小銭入れ?パスケース? いえいえ、きちんとお札が入る財布なのである。なんでコレ買ったかッ?!それは、ずばり、、腰痛になったから! すごい理由である。なんで、腰痛と、このスポーツタイプの財布が関係があるのか?

沖縄にいったとき、友達が私のカバンを持って言った。「エリーちゃんの荷物、重ッ」。そう、私のカバン、だいたい重い。「だから、腰痛めるんだよ」。そうなの?私は驚いた。カバンの重さが腰痛に?日々の積み重ねだと友は言う。確かに友は軽装。ポシェットひとつ。持たせてもらったが、軽ッ!「これだけ?」「そう」。私はナップザック。「いったい何が入っているの?」というので、出してみると、でるわでるわ。アロマの瓶、パソコン、充電器、ノート、本、書類、、、。

「こんなにいる?」まあそうだな。「エリーちゃん、全部軽量化したほうがいいよ、あと財布も案外重いよ」私は腰痛克服のために、どんどん軽量化していった。極力持ち歩かないようにした。その挙句、私はお気に入りのボッテガヴェネタのピンクのお財布をじっと見つめた。うーむ、、、これ、運気があがる財布って言われたんだけどなあ。ピンクが今年の運気の色でそして、高い財布を持つとお金が貯まるから、財布はなるべく高級なものをといわれ、えいっと清水の舞台から飛び降りるように買ったわけだ。というか日経MJの連載でも書いたが、空港の免税店で、少し酔っ払っていたためつい買ってしまったあれである。

そして私はそれを、捨てた。いや、もったいないからすぐにゴミ箱からレスキュー。ごめんごめん、と財布に謝る私。「すこし、休んでてね」と、カード類を出して、空っぽにした棚にしまった。野球で言うと、ベンチ要員。で、私はアマゾンのすぐ届く便で、びしばし、スポーツタイプの財布を注文したのである。

届いた財布を持ってびっくり。「軽ッ!」財布のありがたさ、ゼロの重み。不安になる軽さ。でもいいのだ。これでいいのだ。体にいいのだ。財布のお値段もゼロがふたつ取れて軽く。で、不思議なことにあまりお金が貯まらない感じもする。スポーティーになっちゃうね。

 

撮影:諸井純二

大宮エリー おおみや えりー/Ellie Omiya
作家、演出家、画家、ラジオパーソナリティー、脚本家、CMディレクターなどボーダレスに活動。

主な著書は、『生きるコント』(文春文庫)、『なんとか生きてますッ 』(毎日新聞出版)、コンプレックスが解消する短編集『猫のマルモ』(小学館)、『思いを伝えるということ』(文春文庫)、心の洗濯ができる写真集『見えないものが教えてくれたこと』(毎日新聞出版)など。そして最新刊『なんでこうなるのッ?!』(毎日新聞出版)が好評発売中。
現在、「サンデー毎日」「朝日中高生新聞」「シティリビング」にて連載を担当。
2012年よりPARCOミュージアムにて「思いを伝えるということ展」という体験型のインスタレーションを発表、アート活動をスタートさせる。
近年では画家としても活動。昨年は十和田市現代美術館にて美術館での初の個展「シンシアリー・ユアーズ」を開催。
2017年は福井県 金津創作の森にて個展を開催。愛媛県の芸術祭、道後オンセナート2018、六甲ミーツアート2018に参加。

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