第6回 女子力のパンドラ、ネイルキット

大宮エリーのなんでコレ買ったぁ!? リターンズ

大宮エリー

さあ、これ、女性ならご存知。男性は見たことがないかもしれない。ジェルネイルというのはご存知だろうか。マニキュアはすぐ剥げる。そこで考えられたのがジェルネイル。ジェル、と呼ばれるジェル状の樹脂を爪に塗り、UVライトまたはLEDライトをあてて固めるもの。私もサロンでやってもらっていた。人は先端を美しくすると全体的に綺麗になると言われたことがあったから。爪先や髪先が大事なんだそうな。運気にも。

 

そう私に言った人は、芸能事務所の社長をやっている女性で、「エリー、あんたさ、爪やんなさいよ。私のプロデュースしてるネイルサロンがあるから!」というのだ。「えー、すぐ剥げるしいいよ、お金勿体無い」というと、「ジェルよ、ジェル。マニキュアじゃない」そして、後日、「もう予約したから」と留守電がはいっていた。社長、強引。でも、豪腕。確かに予約されちゃうと行かざるをえない。

行ってみると、ソファーが大きくて、ゆったり。そこに腰掛けて、爪の甘皮を処理してもらったり、磨いてもらったり、そしてジェルの色を選んで、塗ってジェルを固めるためのLEDライトを爪に当てるため、「はい、指を機械にいれてください」と言う。そのうち、眠ってしまって、ネイリストが勝手に私の指を機械につっこんだり出したりしていた。で、起こされるとできてる!爪、きれい!これぞ、女子!

でも忙しくて行かなくなってしまった。そんなある日のこと。うちで働いてくれていたマネージャー女子、爪がやけに綺麗なのである。しかもいつも。不思議に思っていた。よくサロンに行く余裕あるな、と。見ると3時間はかかる爪だもの。

「サロン近いの?」とさらりと聞いてみた。すると、「自宅で自分でしてるんです!」という。機械を買ってセルフでできるようになったことを、マネージャー女子の爪で知った。どんなに忙しくても女子力を忘れちゃだめね!それを若い子に学び私はその夜ドンキホーテに向かった。「あった!これだ!」でも、、

それから5年経ったが、まだ、開けていない。女子力、まだ開かれず!

 

撮影:諸井純二

大宮エリー おおみや えりー/Ellie Omiya
作家、演出家、画家、ラジオパーソナリティー、脚本家、CMディレクターなどボーダレスに活動。
主な著書は、『生きるコント』(文春文庫)、『なんとか生きてますッ 』(毎日新聞出版)、コンプレックスが解消する短編集『猫のマルモ』(小学館)、『思いを伝えるということ』(文春文庫)、心の洗濯ができる写真集『見えないものが教えてくれたこと』(毎日新聞出版)など。そして最新刊『なんでこうなるのッ?!』(毎日新聞出版)が好評発売中。
現在、「サンデー毎日」「朝日中高生新聞」「シティリビング」にて連載を担当。
2012年よりPARCOミュージアムにて「思いを伝えるということ展」という体験型のインスタレーションを発表、アート活動をスタートさせる。
近年では画家としても活動。昨年は十和田市現代美術館にて美術館での初の個展「シンシアリー・ユアーズ」を開催。
2017年は福井県 金津創作の森にて個展を開催。愛媛県の芸術祭、道後オンセナート2018、六甲ミーツアート2018に参加。

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