第2回 「かつおぶし」

大宮エリーのなんでコレ買ったぁ!? リターンズ

大宮エリー

見てください。この鰹節をよーくご覧あれ。

鰹ではないのだ!傍らにシール。そこに「さば」の文字。そう、これは鰹節ではなく、鯖節なのだ!なのでたぶん、さばぶし、ではよくわからないからか、ネーミングが、削り節、になっている。でも、もはや削り節ではよくわからない。何を削ったのだ?という話である。

そしてシールが「さば」とあるということは、このメーカーはいろんなものを削って販売しているのだろうか。謎が深まる。でも、多分そうだと思う。だって、この袋があれば、いろんな汎用性があり、シールを、かつお、とか、さば、とか、あと何があるのかわからないがやりたい放題なのである。

ただ、牛深の味とあるのにご注目。そう、これは熊本県牛深市で購入したものである。というのも、熊本を訪れたときに熊本在住のカメラマンの森さんが、「エリーさん、牛深といえば、これです!さばぶし!」というから、なんと3袋も買った。だって軽いから。こんないいお土産はない。軽いし珍しいし、〇〇ぶしを嫌いな人はいない。使わない日本人はいないのである。

で、一応、調べてみた。削り節の種類を。すると、“混合”というものがあるのである。それは、なんと、さば、あじ、いわし、の混合だそうな。すごい、やっぱ、削り節、と宣言してるだけある。削り屋ではないか!他に、“ムロ節”というのもあって、それはムロアジの削り節だそうな。

それら、ぶし、たちは、削り状態、香り、味、だしの透明度、塩分濃度など品質検査があるのだそうで、世界的な漁場規制のため魚脂が多すぎたり身割れが多かったりとかで検査のたびに一喜一憂する、と生産者が書いているのをみて、なんかざっくりしたパッケージなのに、いろいろ大変なんだなあというのと、一喜一憂するって書いちゃうところに、温かみがあるなあと思ったりした。

で、みんなに配ろうと思ってたのに、忙しさにかまけていて、ようやく友達に会うことになり配ろうと思ってカバンにいれて、ふと気付いた。賞味期限きれてた。あちゃー。なので私は当分、かつおぶしではなく、さばぶしでお味噌汁など食べていこうと思っている。

 

撮影:諸井純二

大宮エリー おおみや えりー/Ellie Omiya
作家、演出家、画家、ラジオパーソナリティー、脚本家、CMディレクターなどボーダレスに活動。
主な著書は、『生きるコント』(文春文庫)、『なんとか生きてますッ 』(毎日新聞出版)、コンプレックスが解消する短編集『猫のマルモ』(小学館)、『思いを伝えるということ』(文春文庫)、心の洗濯ができる写真集『見えないものが教えてくれたこと』(毎日新聞出版)など。そして最新刊『なんでこうなるのッ?!』(毎日新聞出版)が好評発売中。
現在、「サンデー毎日」「朝日中高生新聞」「シティリビング」にて連載を担当。
2012年よりPARCOミュージアムにて「思いを伝えるということ展」という体験型のインスタレーションを発表、アート活動をスタートさせる。
近年では画家としても活動。昨年は十和田市現代美術館にて美術館での初の個展「シンシアリー・ユアーズ」を開催。
2017年は福井県 金津創作の森にて個展を開催。愛媛県の芸術祭、道後オンセナート2018、六甲ミーツアート2018に参加。

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