第1回 チュッパチャップス

大宮エリーのなんでコレ買ったぁ!? リターンズ

大宮エリー

日経MJ紙面にて連載していた「大宮エリーのなんでコレ買ったぁ!?」がウェブ連載で帰ってきた!めでたい!

でも、紙面でやっていた頃、やりながらも、そもそもこれ、面白いのかな?と半信半疑、自信がなかったのであるが、え?こんなところで?という場所にて「日経MJ読んでます!」「なんでコレ買った?!ってやつ面白いですね!」「本にならないんですか?」と聞かれ、耳を疑った。こんなところで、それを褒められる?と。

具体的に言うと、愛媛のおしゃれカフェの店長さんとか、鹿児島の土産物売り場など。どうして日経MJを?「なんか面白いから」。

なので私もなんとなく、なんか面白いから、の精神でやっていこうと思う。

毎週更新するぞ!おつきあいいただきたい。

 

さて今回は「チュッパチャップス」。

はっきりいってそれ自体好きではない。すごく甘いから。私はお酒飲みであるのですごく甘い飴など苦手である。トローチも甘くないやつはないのか!と絶叫したくなる。甘いものがずっと口にあるのが嫌なのだ。クッキーなんかは噛んで飲み込めばなくなるからいい。飴はずっと口の中を甘くしておくという苦痛な理解しがたい食べ物なのである。

さて、それをだ。口の中で転がしておくのはいいのに、チュパチュパするというのがもうわからない。棒がついているので、手で持たないときは、口から棒が出てしまうではないか!恥ずかしい。でもきっとモデルみたいな女の子が食べればおしゃれなんだと思う。あとは若い男子、女子。スーツのおっさんがそれを食べていたらどうか。そして私は42歳である。チュッパチャップスって似合わない。けれどやっぱこれは買ってしまう。観賞用にである。

チュッパチャップスのケースのようだ。人形になっていてそれらがもうすでに私よりも先にチュッパチャップスを食べている格好だ。ただ、ケースとして斬新だなと思った。なぜかサングラスをかけているし黒いプラスティックなので中のチュッパチャップスが見えない。もしかしたら日差しをこれでカットしているのかも。とりあえず2色あったのでどちらも買った。なんかこいつらの名前がよくわからないが、自分はすごく気に入っている。

ただ、この子たちの動きがわからない。だって口にくわえてはいるけれど口からそれらを出したり口に含んだりできない形状になっているのである。やっぱりただのケースなんだろうか。

袋から出すと値打ちが下がるので封を切ることができず動きが確かめられなくて申し訳ない。そして勝手に値打ちがあると思っているのもイタイとは分かっている。ただ地方の売店で見つけただけなのに。

ちょっとしたプレゼントに、はい、これ、ってチュッパチャップスをあげても、いらねぇよ、となるところ、このケースごと渡せば、なにこれ、あら、チュッパチャップスじゃん!となるかと思って買った。でも内心心配しているのは、それでも、「いらねえよ」と言われることだ。なんでこれ買った。

 

撮影:諸井純二

大宮エリー おおみや えりー/Ellie Omiya
作家、演出家、画家、ラジオパーソナリティー、脚本家、CMディレクターなどボーダレスに活動。
主な著書は、『生きるコント』(文春文庫)、『なんとか生きてますッ 』(毎日新聞出版)、コンプレックスが解消する短編集『猫のマルモ』(小学館)、『思いを伝えるということ』(文春文庫)、心の洗濯ができる写真集『見えないものが教えてくれたこと』(毎日新聞出版)など。そして最新刊『なんでこうなるのッ?!』(毎日新聞出版)が好評発売中。
現在、「サンデー毎日」「朝日中高生新聞」「シティリビング」にて連載を担当。
2012年よりPARCOミュージアムにて「思いを伝えるということ展」という体験型のインスタレーションを発表、アート活動をスタートさせる。
近年では画家としても活動。昨年は十和田市現代美術館にて美術館での初の個展「シンシアリー・ユアーズ」を開催。
2017年は福井県 金津創作の森にて個展を開催。愛媛県の芸術祭、道後オンセナート2018にも参加中である。