パーセンテージゴルフの勧め

「いつでも目の前の1打が成功する確率を考え、 成功率8割以上のプレーを選択する」

書斎のゴルフVOL.36

吉田洋一郎

PGAツアーのプロやインストラクターに造詣が深い吉田プロ。
PGAの選手たちは皆ミラクルに思えるようなショットを放つが、実際は8割以上の確率で成功できると思うショットを放っているという。
ならば、我々アマチュアも自分のレベルにおける8割以上の成功確率のショットを打つべきであり、そのことだけで、大幅なスコアアップが図れると語る。その詳細を聞く。

吉田式スコアアップ術①
自分のレベルに応じた8割成功するショットを選択する

――今回は特集に合わせて、PGAツアーにも造詣が深く、多くの生徒を上達させている吉田プロに、スコアの縮め方を教えていただこうと思います。

吉田昨年は全英オープン、今年は全米プロを視察してきました。世界のトッププロたちはアマチュアにはミラクルに思えるようなショットを次々に放ちますよね。こんな厳しいピンポジションを狙えるかといったところもデッドに打っていく。しかし、そのショットは彼らにとって決してミラクルではありません。8割、9割の確率で成功できると思っているから打つわけです。松山英樹プロもそうですよね。

――それほど高度な技術があるということなのでしょうね。

吉田彼らは常に今から打つショットの確率を考えています。もし、ピンを狙える確率が5割であれば、ピンは狙わずにグリーンセンターを狙います。ピンはおろか、グリーンにも乗せられないとなれば、最もパーを取れるところに打つわけです。私が言いたいのは、アマチュアの皆さんにも、毎ショット、成功する確率を考えて欲しいということです。

――自分のショットの確率を考えるのは、誰でもできるということですよね。

吉田そうなんです。もちろん、レベルの差はPGAツアーのプロからトップアマ、アベレージゴルファー、初心者と様々に違います。しかし、それぞれのレベルにおいて、成功の確率を考えることはできるわけです。そして、常に目の前の1打を打つときに、その人のレベルに応じた成功率8割のショットを選択して欲しいということなのです。

――PGAツアーの選手のようにということですね。

吉田その通りです。例えば、林に入れたとします。プロならば狭い隙間であっても8割の確率でその隙間を抜いてグリーンに打つこともできるでしょう。しかし、アベレージゴルファーならばどうでしょう。1割に満たないかもしれません。それなのに、プロと同じようにその隙間を抜こうとする。現実的には、その林から8割成功できる広いところを探すべきです。初心者なら木が1本もない後ろに出すのが成功8割かもしれません。このように、それぞれのレベルで成功8割を考えたショットを選択すべきなのです。

――なるほど。とはいえ、わかっていたとしても、なかなかできないですよね。

吉田それは成功の確率を考えていないからですね。プロのように打つのがセオリーと思い込み、あとは運任せということがとても多いのです。また、成功の確率を考えたとしても、かなり高く見積もってしまう。つまり、自分の実力を過大評価しているということです。結果、林ならば、狭い隙間を狙って木に当てて、そのホールを大叩きにしてしまうのです。

――その通りですね。

吉田ですから、まずは目の前の1打の成功確率を考える習慣をつけることです。そして、自分が思っている確率よりも実際はかなり低い確率であることを認識して欲しいのです。これはデータをとれば一目瞭然なのですが、8割と思っていても、実際は5割の確率くらいに考えたほうがいいです。それほど、アマチュアゴルファーは自信過剰というか、楽天的です。なので、成功8割と思っても失敗が多い人は、100%成功すると思えるショットを選択するべきでしょう。

――確かに我々アマチュアは良い結果を夢見てしまうというか、願ってしまうことから、成功率を高く見積もってしまいがちです。

吉田そうですよね。例えば、このことをパットで考えてみましょう。1・5mのパットをアマチュアの皆さんは8割入ると思っています。しかし、データを取ってみれば、5割の確率であることがわかります。このことはすべてのショットにおいて言えることなのです。差し引き3割は見込み違いをしているということです。

――1・5mを外すと凄くがっかりします。でも、それは8割入ると思っているからですね。5割なら外しても仕方がないと思えますね。

吉田そうなんです。成功確率の現実は、いろいろな距離を2パットで収められるかで考えてみるとよくわかります。例えば、一般的なデータで言えば、1mなら100%2パットで収められるでしょう。しかし、5mなら5割になり、10mならば3割、20mなら1割となるでしょう。そう考えれば、10mで3パットしても落胆することはないし、無理をすることはありません。とはいえ、本当はパットを含め、いろいろなショットの自分のデータを取って、成功確率の自分の現実を知ることが一番ですね。

――実際に自分の確率を把握できていない人はどうしたらいいでしょう?

吉田そうですね。打つときにドキドキするかどうかですね。ドキドキしたら成功確率は50%以下と思って欲しいです。ミスするかもといった疑念が生じたときも同様です。なので、ドキドキしたりミスするなと思ったら、絶対にやらないことです。まずはそれが最初の基準ですね。さらに、そうしたことがない場合でも、ミスしたらさらにひどい結果になると思ったらやらない。ミスしても次のショットがグリーンに打てるのなら、やっても構わないということになります。

――わかりやすい基準ですね。

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