スコアメイクの掟

「右か左か、 目標を明確にして打て!」

書斎のゴルフVOL.36

スコアを良くする久富流10箇条

──ここまでに出てきたスコアを良くする要点を箇条書きにしてみたいと思います。

①右か左か、決めて打つ
②2オン(パーオン)にこだわるな
50ヤード以内は80%乗せる
④アプローチは寄せようとするな
⑤ダボ、ボギーに飛距離はいらない
⑥レベル、状況に応じたクラブ選択
⑦パー5のセカンドは7番アイアン

ということでしょうか。

久富はい。パー5をボギーの計画として、流れをなぞってみましょうか。ボギー狙いなら4オンでいいわけですから、コースの距離から4打目の50ヤードを引いて、例えば500ヤードなら450ヤードです。それを単純に3打で割るとなんと150ヤードでいいことになります。まあ、距離の組み合わせは自由ですが、そうするとドライバーは必要ですか? ということになります。特に狭いホールであれば、5番アイアンでも充分ということになります。右か左かの打ち分けもドライバーよりはやさしいでしょう。

──今日、実際に5番アイアンでロングホールのティショットをしてみたのですが、凄く楽でした。なんのプレッシャーもない。

久富そうですよね。ここまでで①⑤⑥の項目です。次にセカンドショットになるのですが、ここが問題なのです。皆さんも経験があると思いますが、ロングホールの大叩きはセカンド、サードショットのミスによることが多いのです。

──セカンドは力むし、サードは挽回したい、あるいは3オンのチャンスだと欲望丸出しになってしまうからです。

久富そこで目から鱗の7番アイアンなのです。これは楽に打てるというほかに、先ほど出た、地味ゴルフのフラストレーションを発散させるためでもあります。このショットはフルショットをしても構わないのです。無理せずに楽に打ってもいいのですが、このようにしてパー5のセカンドに慣れてくると、フェアウェイウッドを使った場合でも力まないで打てるようになるはずです。そういう効果もあるのです。

──これは①⑥⑦の項目ですね。

久富セカンドを刻んだあとは、グリーン50ヤード手前までに打つサードショットになります。刻んだ分、距離が残ってしまったという場合はウッドで勝負です。この場合も右か左かは決めてください。

──そしてアプローチですね。

久富③④⑥の項目です。

──要は、自分のレベルに応じたスコアを目標にして、その目標に応じたルートを設計し、自分のできる技術レベルの範囲でクラブを的確に選択して、プレーするということに尽きると思うのです。

久富その通りです。しかし、それが難しい。先ほどのプレーは尺取り虫といって嫌われます。また格言の引用ですが、

「ゴルフに秘伝ありとすれば、それは自分の能力の限界をつかむことである」

というのがあります。他人の目もあって、自分のレベルに応じたプレーをするというのは難しいことですが、それができれば、強く賢いゴルファーになれると私は考えています。

──そういえば、今思い出しました。「コースと戦わない、スコアと戦わない、人と戦わない」という久富さんの言葉です。今日のラウンドで、「自分とも戦わない」を付け加えたいです。あれ、これも久富さん、言ってましたっけ。

久富そこまでは憶えてないですね。でも、ゴルフは「攻撃するゲームではない」と改めて言いたいですね。

──いいですね。上手いゴルファーよりも強いゴルファー、賢いゴルファーですね。いい響きです。さて、そうなるための練習方法についてはまだ何も伺ってないのですが。

久富練習場でやるべきことは、コースを設定してショットをするということです。例えば、左にバンカーがあると想定して、スライス、あるいはその逆に、右に池を想定してフックとか。練習場で見かけるゴルファーのほとんどはただひたすら真っ直ぐのボールを求めて振り回しているだけです。これでは「ああ練習した」という満足感が得られるだけです。しかも、それだけ練習したにもかかわらず、コースでは再現できない。

──この練習方法は⑧としましょう。その打ち分けの方法は、どうすれば、いいのでしょうか。

久富以前に、ボール位置さえ定まらないゴルフの教科書という言葉を紹介しました。同様にゴルフのスイングにも教科書がないと言えます。ですから、体感してもらうしかないのです。もちろん、最初にあなたが言われた、スタンスの向きとフェースの向きでフックやスライスを簡単に打つ方法もあります。しかし、練習ではもっと体の動きを感じて欲しいのです。例えば、左手だけで振るとボールは右へ、逆に右手だけだとボールは左へ行きやすくなります。まずはこれを理解してもらいたいと思います。こういういつもと違うことをやってみるということが大切です。新しい感覚が生まれるかもしれませんよ。

──そういう実験をしてみる、試してみるという余裕も欲しいということで⑨になりますね。私たちも毎回違うテーマでラウンドしました。ティショットを思い切り振りましょうとか、逆に2番手大きなクラブでゆっくり振りましょうといったことでした。そういった経験をしたことで、随分とゴルフの内容が変わりました。

久富ゆっくり振るというのは、ソフトスイングと私は言っていますが、それもぜひともマスターして欲しいことです。ゆっくり振ってくださいと言っても、一般のゴルファーはできないものなのです。やったことがありませんからね。

──では、それはちょうど⑩ということで。

久富以前、6番アイアンでゆっくり振ってドローを打っていたときは非常に調子が良かったではないですか。それが最近では少し強く打っていませんか。

──もっと良いボールが打てるのではと欲が出てしまうのです。でも、今回の10項目を私なりに実践してみます。

久富結果を期待していますよ。

久富章嗣(ひさとみ・あきつぐ)
1951年生まれ。日本大学ゴルフ部では主将を務め、アマチュアとして全英オープンの予選出場の経験を持つ。独自のゴルフ理論を展開し、これまでに多くのアマチュアをシングル入りさせている。全国に厚い信奉者がいるアマチュア向けレッスンの実力者。指導を受けたい場合は、hisatomi-golf@jcom.home.ne.jpまで。

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