「働き方改革」は円満な家庭生活から

妻の「見えない家事負担」を減らす簡単な方法とは?

ライター 西荻美保子

 夫婦ともに仕事を持つ「共働き世帯」はこの30年間で倍増し、平成27年には1114万世帯となりました(総務省「労働力調査」より)。5世帯のうち1世帯は夫婦ともに仕事を持っていることになります。しかし家事・育児に関しては相変わらず女性の負担が大きいため、政府主導で「働き方改革」が推進され、男性の育休取得企業への補助金制度も生まれています。また、「ワークライフバランス」だけでなく、「イクメン」「イクボス」などの言葉も、よく聞かれるようになりました。しかし、実際のところ、働く女性の負担はどの程度軽減しているのでしょうか。

「育休」取得より大事なこと

 どのくらいの男性が育休制度を活用しているのか、気になるところです。内閣府の統計によると、男性の育休取得率は平成16年にはわずか1%未満でした。その後じわじわと上昇しているものの、平成27年では国家公務員で5.5%、一般企業ではまだ2.65%にとどまっています。しかも育休といっても8割の人がわずか5日間しか休んでいないのです。1週間程度の休みだけで女性の育児負担が軽減されるとは思えません。

男性の育児休業取得率の推移(内閣府男女共同参画局ホームページより) 

 子育ては一時的なものではなく、日々続いていくもの。育休を取ることも大事ですが、日常の家庭生活において、男性がどこまで家事・育児を負担しているかがより重要と言えるでしょう。

 では、共働き世帯の男性がどれだけ家事を負担しているか、共働きではない世帯との比較データがありますので見てみましょう。

6歳未満の子供を持つ夫の家事・育児関連行動者率(総務省「社会生活基本調査」より)

 平成18年と23年の両年とも、共働き世帯でも家事をしない男性が80%です。女性が専業主婦の世帯の場合は90%ですから、その差はわずか10%です。育児に関しても同様です。育児をしない男性は平成18年の73%から23年には67%と約5%減っていますが、専業主婦の世帯でも70%ですから、ほぼ変わらないのです。

 つまり、子供のいる家庭において、女性が働いていても働いていなくても、男性が家事・育児を負担する率はほぼ同じなのです。このデータで見る限り、多くの働く女性にとって、子育てと仕事の両立、ワークライフバランスの実現には高いハードルがあると言えるでしょう。

 では、なぜ男性の家事・育児への参加が、こんなにも進まないのでしょうか。

次のページ:夫が「育休」を取ったものの夫婦間に亀裂が

関連記事

もっと見る

now loading