人生100年時代、長期投資は60代からでもOK!

「つみたてNISA」で草食系投資の時代が訪れた

著者インタビュー:草食投資隊(渋澤健、中野晴啓、藤野英人)

2018年1月、「つみたてNISA」がスタート。
目先の利益にとらわれたハイリスクな投資から、コツコツ、ゆったりの長期投資へ。金融政策の大きな転換点を感じさせる出来事です。
月々の小さな余裕資金を、未来の自分のため、未来の家族のため、そして、未来の社会のために役立てる――
長年、長期積み立て投資の重要性を訴えてきた、草食投資隊(渋澤健、中野晴啓、藤野英人)の面々が、長期投資の意義を本音で語ります。

長期投資なら全員が潤う

――長期投資を全国に広めたいと、2010年から草食投資隊の活動をなさっていますね。

渋澤:当時、株式市場は氷河期。「積み立て投資なんて儲からないことやるのは無謀だ」と金融業界ではさんざんいわれました。

中野:あの頃は日本の投資信託が一番“顧客本位ではなかった”時代だと思います。リスクを重ねた仕組みから支払われる高い分配金。その競争で、限られた資金を回す。そういう時代に、われわれは「積み立て投資こそが社会正義だ!」と声をあげたんです。それからずっと主張し続けた結果が、金融庁が進める金融改革、そして「つみたてNISA」誕生の一助になったと自負しています。

藤野:一般的に投資には勝つか負けるかという肉食的なイメージがありますが、草食系投資というのは、長期投資で全員が潤っていく、誰かが誰かを奪うことではない価値観の投資です。草食系投資が根づいた7年間でもあります。

――金融関係者の中にも草食投資隊のファンは多いそうですね。

藤野:金融業界にいる人たちは、種々の制約から、自分が買いたい商品が売りたい商品となっていないことが多いんです。「つみたてNISA」については、「やっと売りたい商品と巡り合った」という声を多く聞きました。現場が僕らの商品を売りたいと思うようになったのは劇的な変化です。

中野:今業界全体に求められているのは、生活者を幸せにするようなお金の動かし方をすること。将来に向けて資産運用する人が、ちゃんと幸せになるお金の動きにならなきゃいけないんです。同時に、生活者一人ひとりが、投資家として、金融業界の変化にきちんと向き合ってほしいと思います。

「投資」と「投機」を取り違えるマネーのプロ

――草食投資隊へは追い風ばかり。

中野:そんなこともないんですよ。マネーのプロと称される方でも「相場は上がったり下がったりするから、投資はやめなさい」という発言をされたり……。その方のいう「投資」は、完全に「投機」なんですが。

渋澤:「積み立て投資は安くなったときにたくさん買えず、上がったときにも買わなければならない。それはおかしい」という方もいます。確かに、いつ安くなるのかがわかるのであればこんな楽なことはありません。それがわからないからこそ積み立て投資です。手数料への言及もありますが、「つみたてNISA」に認定されている投信の手数料はすべて1.5%以下で決して高率ではないと思います。

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関連著者・監修者

渋澤 健(しぶさわ けん)

コモンズ投信株式取締役会長・創業者
1961年生まれ。1987年UCLA大学でMBA取得。JPモルガン、ゴールドマンサックス等を経て、米ヘッジファンド、ムーア・キャピタルの日本代表に就任。2001年に独立、シブサワ・アンド・カンパニー設立。2008年コモンズ投信設立。経済同友会幹事、他。
日本における資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一は、祖父の祖父にあたる。
著書に『渋沢栄一100の金言』(日経ビジネス人文庫)ほか多数。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

中野 晴啓(なかの はるひろ)

セゾン投信株式会社代表取締役社長
1963年生まれ。明治大学商学部卒。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金運用等を手がける。2006年セゾン投信を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。「R&Iファンド大賞」最優秀ファンド賞を4年連続受賞。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

藤野 英人(ふじの ひでと)

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長兼最高投資責任者
1966年生まれ。早稲田大学卒業後、国内外の運用会社で活躍。特に中小型株及び成長株の運用経験が長く、25年間で延べ6500人以上の社長に取材し抜群の成績をあげる。2003年独立、現会社を創業。販売会社を通さずに投資信託を直接販売する「ひふみ投信」を運用し、ファンドマネジャーとして高パフォーマンスをあげ続けている。2017年にはR&Iが選定する「R&Iファンド大賞」最優秀賞を「ひふみ投信「ひふみプラス」でW受賞。

※本データは、小社での最新刊発行当時に掲載されていたものです。

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