「ロジカルゴルフ」を理解・練習し、冬の間にレベルアップしよう!

「大網セミナー」潜入レポート

書斎のゴルフVOL.37

5つの「タイムボックス」を設定、チェックポイントを入れていく

尾林プロはホワイトボードに書いた5つの箱を指差しながら説明する。

「スイングマネジメント技術は『タイムボックス』で考えます。これはスイングを時間の経過で5つの箱に分けたものです。私が後藤修氏から教わっていた頃、次々とスイングにおけるチェックポイントが出るので、どの時点のものかを整理するためにスイングを時間毎に区切りました。チェックポイントは『すべきこと』がいろいろとありますが、ゴルファーによって異なるので、私から指摘されたポイントをクラブ毎に分けた5つの箱に入れて欲しいのです。そうすることでチェックポイントを忘れずに整理した形で覚えることができ、それを1つずつ注意することで良いスイングにしていくことができます。同じことを何度も言われていることがわかるのも良いところです」

チェックポイントは尾林プロが「すべきこと」を明確に分類しているし、自分が犯したミスを把握することで、自分でもチェックすることができる。具体的には尾林プロが後で述べるが、読者も自分で判断できるものだ。

尾林プロの講義が続く。

「最初は『ZERO BOX』で、これは素振りを含めたルーティン&アドレスまでの時間の箱です。次が『1ST BOX』でスイングのスタートからバックスイング、トップまでとなります。その次が『2ND BOX』で、トップから左サイドに移る切り返し時間の箱です。次の『3RD BOX』はダウンスイングの箱になり、最後の『FINAL BOX』はインパクト直後からフィニッシュまでの時間の箱となります。トップからインパクトまでを2つの時間帯に分けているところが特徴であり、そこに注意ポイントがたくさんあるということです」

そして、尾林プロが挙げるチェックポイントはA~Gまでの7つに分類されている。これは5つの箱における「すべきこと」であり、それを行うためにはそのためのスイング部品を使うことになり、それは特定のミスを防ぐことができる。尾林プロが7つのチェックポイントを説明していく。

「Aはアドレスでの注意ポイントで、『ZERO BOX』に入るものです。

アドレスではボールと体の距離がとても重要で、その距離が遠い人が多く、そのためにトップのミスが起きたり、無理に届かせようとしてスイングを崩してしまいます。ちょうど良い距離にするには右肘がポイントになります。アドレスで右肘が曲がっていれば、ジャストな距離でインパクトできます。

そこで、ボールの後ろで気をつけなければいけないポイントをチェックしながら軽く素振りをしたら、素振りの感覚が消えないうちに、右肘を曲げたままボールに近づいてアドレスします。

『右肘・グリップ・スタンス』の順番でアドレスしたら、両肩のラインを発射ラインに平行にします。グリップは右手が左手よりも前に来るため、肩が開きやすくなるので注意が必要です。グリップはスライスを防止したいのであれば、左手を1㎜右に回し、右手もそれに合わせて右に1㎜回します。

スタンスは広いほうがバックスイングで踏ん張りやすいのですが、ダウンスイングでは右足が邪魔してインサイドから振り下ろしにくくなります。スタンスを狭くすると揺れやすくなりますが、右サイドに空間ができるのでインからダウンスイングしやすく、ニーアクションも使いやすくなります。上級者は狭いスタンスの人が多いことを伝えておきます。

次に頭の位置です。これはクラブが何であれ、ボールの右にあること。真上からボールを見たくなりますが、右サイドから見るようにします。さらに体重がかかと寄りではトップしやすくなりますので、つま先体重の感覚で上半身を深めに前傾して、トップを防止して欲しいと思います」

アドレスだけでもこれほどまでにチェックポイントがある。自分が該当すると思うものを「ZERO BOX」に入れてみよう。

「次にチェックポイントBです。これは『1ST BOX』に入ります。

スイングのスタートは右腰から行い、フルスイングの場合、右腰が45度回転したときに、肩は90度回転し、(正面から見て)両手が180度回転、クラブヘッドは地面と平行になるので270度回転します。これを意識すれば、深くタメのあるトップが作れます。また、この4つの角度の比率、1対2対4対6は、スリークオーターやハーフスイングでも同様であることを覚えておいてください。アプローチもこの比率で行えば上手く打てるのです。

この比率を守ろうとして起きやすい動きに、体が起き上がったり、背中側に反り返ってしまうことがあります。こうなると肩や頭が高く動いてしまい、トップのミスを招いてしまいます。頭の位置は低く保って欲しいです。

また、トップの手の位置は、飛球線後方から見て、背中のラインよりも外側にあって欲しい。上体の捻れが強く、ダウンでインサイドから入りやすくなるからです。この手の位置が甘いと、捻転が弱く、アウトからダウンしてしまうことになります。

このとき、トップでのクラブシャフトは右に向くクロスはNGです。飛球線と平行か、左を向くレイドオフになっていて欲しい。また、左手の小指が緩んでいないトップでは、ヘッドが地面と平行よりも回ってしまっても構いません。これはセベ・バレステロスやトム・ワトソンがそうなっており、『ロジカルゴルフ』ではオーバースイングとは言いません。

さらにトップでは左手甲が平らであり、右手は手の平が上を向く出前持ちの形になっていることです。ヒールアップするかどうかは各人の選択ですが、トップで肩が90度回らない人はヒールアップを推奨します。

これらのことからBはスライスとトップを防ぐことができます」

Bのチェックポイントもたくさんある。トップやスライスしていれば、いくつか思い当たるに違いない。該当するものを「1ST BOX」に入れておこう。尾林プロが言うには、練習ではまず、アドレスからトップまでのAとBを100点満点にすることがとても大事だということだ。

尾林プロが続ける。

「トップの次はダウンスイングと思いがちですが、その前に切り返しがあります。これは左サイドの動きとなりますが、チェックポイントはFであり、タイムボックスでは『2ND BOX』に入るものです。具体的には4つのステップで身につけられます。

『ステップ1』は左膝(ヒールアップする人は左足)でドンと踏み込む。それも斜め45度に踏み込むようにします。これをクリアすると、頭が左方向に動いてしまう人が出ます。そこで『ステップ2』、頭をトップの状態に置いたまま、左膝をドンと踏み込むようにします。こうすると、左肩が開きやすくなります。そこで『ステップ3』、左肩をキープしたまま左膝をドンと踏み込みます。ここまでをクリアできればかなり優秀ですが、『ステップ4』をクリアできれば完璧です。これは左前腕を下に向けながら振り下ろすという動作です。

このFを完成させることでスライスとトップを防ぐことができますが、この動作ができていないアマチュアが非常に多く、球がつかまらず、ダウンブローに打てない原因になっています。従って、練習ではしっかり意識してやって欲しいと思います」

確かにこのFを怠っているアマチュアは多いように思える。尾林プロが言うように「ドン」という大きな音をさせるほど踏み込む習慣を身につける必要があるだろう。

「Fの後は、これも私が重要視している『0ポイント』を行って欲しいのです。『0ポイント』とはトップからの切り返しの後、それも左膝ドンの後、ダウンの途中において、アドレスからフィニッシュまでのスイング中、最も右手首が曲がる瞬間です。トップよりもさらに肘と手首が曲がる、さらにコックをきつくするポイントです。この『0ポイント』をしっかり入れることで、コックが早く解けることを防ぎ、レイトヒッティングの態勢となり、ヘッドを走らせることができます。また、インからダウンすることもでき、ボールをつかまえられるようになります」

要はトップからすぐにコックを解いてしまう動作を防ぐ効果があるということだ。

「次が『3RD BOX』に入るチェックポイントですが、これはスイングの右サイド、つまりダウンスイングにおけるもので、CとDとEになります。

Cは『0ポイント』を入れ、右手首をしならせて、ダウンスイングにおける右手とクラブヘッドがバックスイングでの軌道よりも体の近いところを通るようにします。こうすることで、インパクトでのヘッドの入射角が高いところから(鋭角に)入るため、ダフリを防止することができます。

Dはボールに対してインサイドからヒットするもので、プル(引っかけ)防止ができます。これは構えたところよりもヒールヒットしないことになります。ダウンでボールよりもシューズ側をストレートに振る感覚でトウヒットさせることができるわけです。ウッドではドローの球筋になります。また、インパクト以降はフェースローテーションを抑え、飛球線に対しストレートにヘッドを押し込む動きを行います。アプローチやパターでは真っ直ぐに打つことができます。ロブショットでは柔らかい球となります。Dはプルやフック、シャンクも防止できます。

Eはインパクトでトウダウン現象を防ぐスイング部品管理です。Cとの連動部品のため、Cが失敗すればEも失敗します。CをクリアしてEが後からくるイメージです。『0ポイント』で右手首をしならせるとインパクトは遠心力によってクラブのトウが下がろうとします。そこでトウが落ちないように右手首と左手首の角度をキープします。手首が落ちないように管理してトウダウンを防ぐのです。これによりダフリやプッシュを防止できます」

ダウンスイングもこれだけの多くのチェックポイントがある。自分に該当しているかを1つずつチェックしてみよう。

「最後はチェックポイントGで、これはリリースのポイントとなり、『FINAL BOX』に入ります。『0ポイント』でスイング中最大に曲がった右肘は、その後、インパクトに向かって伸びていくわけですが、インパクトではまだ右肘は伸びきってはいけません。インパクト直後に右肘を真っ直ぐ伸ばすようにします。こうすることでインパクトに栄養を与えることができます。アイアンショットではインパクトからヘッドが低く打ち抜かれてダウンブローにヒットできます。フォローを低い状態にできるため、厚いインパクトが作れるというわけです。これはトップとスライスが防止できます」

AからGまで本当にたくさんのチェックポイントがある。だからこそ、自分が該当するものを「タイムボックス」に入れてチェックし、そのことを重点的に練習しなければならない。とはいえ、練習するべきことがわかるのはやる気を起こさせるとともに、上達を早めることになるのだ。

尾林プロがまとめる。

「スイングマネジメントでは、フルスイングを絶対ルールとして『1ST』『2ND』『3RD』の『3タイムBOX』を常に考え、マイナス5ヤード感覚の距離(5ヤードマイナスの感覚で打つこと)でプレーする習慣を身につけて欲しいのです。そうすればよりミスを防ぐことができ、ナイスショットの確率を高めることができます。それでは実際にレンジに行ってボールを打ってみましょう」

次のページ:レンジでの打撃やアプローチ練習、ショートコースでのラウンドレッスン

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