シーズンオフだからこそ、 やるべき練習がある!

スイングにおける最も大切な基本を見直し、正しく身につける!

書斎のゴルフVOL.37

江原清浩のオフの練習法 その2
両手に軍手をはめ、ダウンジャケットを着てスイング

──では、ここからは教わったスイングの基本を踏まえて、どのように練習していくかという練習法を教えていただこうと思います。

江原練習場に行ったら、すぐにボールを打たないで欲しいです。冬であれば体が固くなっているので、ケガをすることもあります。まずはストレッチ、それも動的ストレッチを行ってください。ラジオ体操でもいいのですが、まずは肩甲骨や股関節を動かして欲しいのです。肩甲骨は肩を絞って伸ばすを繰り返します。股関節はクラブで体を支えて、右足、左足を外側から内側に、内側から外側に回します。膝を上げる筋肉である腸腰筋も伸ばします。腰痛になることなく、股関節も動きやすくなります。

──腸腰筋って股関節の前あたりの筋肉ですね。これを伸ばすとともに、ふくらはぎやアキレス腱も伸ばしたいですね。それに加えて屈伸や前屈を行い、体側を伸ばしたら、腰、手首、足首、首も十分回しておきたいです。

江原筋肉や関節はどこも柔らかくしておきたいです。そうですね、「ジャックナイフストレッチ」という方法も効果があります。足を肩幅に開いてしゃがみ、両手で両足首を握って膝を伸ばすというものです。ジャックナイフのように折れた刃が飛び出す動きからその名が付いたのですが。ふくらはぎや臀部がストレッチできますし、骨盤が前傾しやすくなるので、良いアドレスが作りやすくなります。

──ウォーミングアップをしっかりやって体を温めることが大切だということですね。

江原その通りです。そして、次にやって欲しいのが、バットでの連続素振りです。両手に軍手をはめて行います。野球のバットでもいいし、ゴルフ用のバットでもいいです。私は『AZAS』という素振り用バットを使っていますが、これはゴルフのグリップが装着されているので、軍手を外して正しいグリップを作って素振りをしてもいいです。

──軍手をはめたのは、手に力を入れないためですね。

江原そうです。軍手をはめると、握り締めることができないので、手に力が入らないわけです。こうしてゆっくりと10回連続で振り、そのあと左打ちで10回連続で振ります。それぞれ3セットくらいやりましょう。バットに任せる感じで振ってください。振られる分、踏ん張ろうとして、インパクトで左サイドの壁ができます。これをやると自然に体が動いて体重移動もしっかりできます。

──振っては戻り、振っては戻りを繰り返すわけですね。

江原その通りです。これが終わったら、凄く軟らかいシャフトが装着されたアイアンを振ります。私が使っているものはグラファイトデザイン社の『ツアーADレッスン』という練習クラブですが、松山プロも使っているそうです。シャフトが軟らかいのでスイングのリズムやテンポが悪いと上手く打てません。ですので、素振りをやってタイミングがわかるようになってから、ボールを打ちます。飛ばそうとしたら上手く打てませんので、自然に「飛ばなくてもいい」ということを頭に植え付けることができます。ここでは感じ良く振ることができれば良いので、ナイスショットかどうかはあまり気にしないでください。しばらくやったら、軍手をはずして、同じようなリズムでこの練習用のクラブを振ってみることです。

──この練習アイアンよりも軟らかいシャフトが装着されたものを使ったことがありますが、まったくボールが打てませんでした。ヘッドが戻るまで待つことができないわけです。でも、こうした軟らかいシャフトの練習クラブを使うと、自然と手の動きを止めてヘッドが戻ってくるのを待つことが覚えられるため、ヘッドを走らすことができるようになります。

江原クラブを速く振ろうとすると、手を速く振ってしまうアマチュアが多いのですが、速く振らなければいけないのはクラブなわけです。そのためには手はインパクト直前から一瞬止まらなければならない。それを覚えるのに、本当に良い練習用のクラブだと思います。

──余っているアイアンで、シャフトを軟らかいものに交換してもいいですね。

江原自分でも作ろうと思えば作れますね。そして、次にやって欲しいのが、軍手をはめ、ダウンジャケットも着て、9番アイアンを使ってボールを打つというものです。ダウンジャケットを着るのは手や腕を使いにくくするためです。ダウンジャケットを着て練習しても冬ならおかしくないですよね。防寒もできますし、ぜひやってみてください。

──その9番アイアンはどう振りましょうか?

江原ボールはティアップします。マットに置くとダフってもクラブのソールが滑って上手く打ててしまいます。ティアップすればレベルにスイングできないと上手くヒットできないために敢えてそうするわけです。ボールは9番アイアンなので、体の真ん中に置きます。つまり、構えたときに鼻やあごの下にボールがある感じです。頭が垂れないようにボールを下目遣いにして見ること。最初にお話した理に適ったグリップと構えをして、ボールを打ちます。ダウンジャケットを着ていますし、ハーフスイングでボールを打ってみます。腰から腰の高さでゆったりと体を回して打ちます。

──いわゆるスイングのビジネスゾーンというヤツですね。

江原この部分がしっかりとした軌道になれば、フルスイングしても上手く振ることができます。とにかくハーフスイングで1球1球、ボールの感触を確かめながら打ってみましょう。ティアップしていても良い感触を残すことが大切です。この感触は、すくい打っていては決して良いものにはなりません。そのためには右手の平が下を向くように打ち、ボールをヒットしてから、ボールの先にあるマットを擦るように打ちます。

──陳清波プロからもその練習法を教えてもらいました。

江原そうですか? これはダウンブローにヒットできる良い練習法です。そのためにはインパクトでは手の位置はボールよりも先にあること。ハンドファーストで打ってこそできるものです。軟らかいシャフトを使っての、手を止めてヘッドを走らせた感覚も生きてきます。厚い当たりとなって、手応えのあるショットになります。このようにして良い感触を覚えれば、スイングがおかしくなったときでも、案外簡単に元に戻れます。

──いつでも良い感触で打つ。なかなか難しいことですが、頑張ってみたいです。

江原そして最後は軍手をとり、ダウンジャケットも脱いで、9番アイアンでティアップしたボールを打ちます。理に適ったグリップとアドレスを作り、1球1球丁寧にゆったりと打ちます。軟らかいシャフトで振ったように、リズムとテンポを大事にして打ちます。ハーフスイングでしばらく打ったら、ハーフスイングとフルスイングを交互に行ってボールを打ちます。こうすれば、ハーフスイングの良い軌道の延長線上のフルスイングで打つことができ、安定したスイングができるようになります。

──スイングプレーンに乗ったスイングになるということですね。

江原その通りです。ティアップしてもいつでも感触が同じになり、ボールの高さや弾道、スピンが同じになってきたら、マットにボールを置いて打ってみます。ティアップでやったときのように、右手の平が下を向くようにし、ボールを打ってからマットを打つようにします。ダウンブローでヒットできるようにするのです。厚い当たりの感触が残るように、何度も何度も繰り返し練習しましょう。

──9番アイアンの徹底練習で、すくい打ちを撲滅するということですね。マットで打つことからくる弊害をマット打ちでもなくすと。

江原その通りです。それをオフの間に徹底的に練習して覚えることです。ですから、練習するクラブは9番アイアン1本だけでいいです。9番アイアンでそれがしっかりできるようになったら、7番アイアン、ユーティリティ、フェアウェイウッド、ドライバーと少しずつ長いクラブを練習していってください。それまでは9番アイアンだけで徹底練習です。それこそがオフにやってもらいたい練習なのです。

江原清浩(えはら・きよひろ)
1979912日生まれ。174cm75kg14歳からゴルフを始め、すぐに埼玉県ジュニア優勝、埼玉栄高2年時に全国高校選手権個人優勝、日本体育大時代に関東アマ優勝、全国大学対抗戦優勝、JGAナショナルチームメンバー。現・日体大ゴルフ部監督。日体大、武蔵丘短大講師。

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