シーズンオフだからこそ、 やるべき練習がある!

スイングにおける最も大切な基本を見直し、正しく身につける!

書斎のゴルフVOL.37

江原清浩のオフの練習法 その1
理に適ったグリップとアドレスを作り、スムーズにクラブを振る

江原スイングで最も大切なことはクラブを振るということです。形はどうでもいいです。クラブがスムーズに振れれば形は自然に良くなっています。ですから形ありきではありません。そしてスムーズに振るためにはグリップに力が入っていてはいけない。そう思っていてもできない人は力が入ってしまうグリップをしているのです。なので、力の入らないグリップを作ることが大切です。

──なるほど。グリップにおいても、そもそもの考え方が大事なのですね。

江原そうです。力の入らないグリップとは握り締めることのできないものであり、それは指で引っかけることによって作ることができます。まず左手ですが、クラブのグリップ部分を人差し指を曲げて引っかけると同時に、手の平の下手前の膨らみにあてがい、この2点でクラブヘッドを空中に浮かせられるほどに支えます。それから小指、薬指、中指の3本の指を曲げてさらにクラブを支えます。左手の親指はグリップの真上でなく、少し右にずらす。こうすることでクラブを押すことができます。

──グリップ部に手の平を巻き付けるのではなく、指だけで支える。ここがポイントですね。

江原はい。次に右手です。これは右手の中指と薬指の2本を横からあてがって、グリップ部分に引っかける。そうして左手の親指が右手の生命線にすっぽり収まるようにします。右手の親指と人差し指は開かないように絞ります。こうすると、わしづかみにならないので、右手に力が入りません。学生時代、右手と左手の親指と人差し指を開けずに絞り、それぞれに鉛筆を挟んでグリップの練習をしたことがあります。

──そんなことをしていたのですか? しかし、江原プロの言われたグリップを行うと、本当に握り締められないので手に力が入りません。それにヘッドを上下に楽に動かせます。

江原良いところに気づきましたね。構えたときにヘッドを上下に柔らかく動かせる。それは握り締めていないからですね。松山英樹プロはアドレスでそうした動きをしてからテークバックに入りますが、手に力を入れないためだと思います。スムーズにテークバックできますからね。

──なるほど。このグリップで、松山プロのような始動をしてみたいと思います。とはいえ、江原プロの言われるグリップはベン・ホーガンのグリップです。まさに理に適ったグリップですね。

江原グリップの良い人はスイングも良い。スイングの良い人はグリップも良い。本当にそう思います。グリップの良い人はスイングに悩みません。上げて下ろすだけで、ナイスショットになります。

──次はアドレスですね。アドレスはスタンスや体の向きを指摘することが多いのですが、そもそも姿勢自体が悪い人が多いと思います。プロのような姿勢のアマチュアはほとんどいません。

江原確かにその通りですね。それはグリップと同じようにアドレスの作り方が良くないのです。いきなりボールに構えて、それから良い姿勢にしようといっても無理があります。

──その通りだと思います。

江原そこで作り方なのですが、意外と簡単です。まずは直立し、足を肩幅に開き、両腕を伸ばしてクラブを横に持ち、両ももにあてがいます。そのままクラブで両ももをグッと押します。こうすると、膝が伸び、上半身が前傾し、お尻が突き出ます。そうなってから膝を軽く曲げるのです。このときに両足首の前に体重を乗せ、ベルトのバックルが斜め下を向いていればいいです。背筋が伸びているか、頭が垂れていないかも確認してください。どうですか? 良い姿勢になっているでしょう。

──確かに簡単にできましたが、足首の前に体重を乗せるのはどうしてなのでしょう?

江原よく体重はつま先なのか、かかとなのか、母子球なのかと議論になりますが、足首の前に乗せると、体のどこから押されてもぐらつかない構えができます。この姿勢は飛球線後方から見たときに、脇の下、膝、母子球までが一直線になります。プロのような構えになるわけです。

──どうしても背中が丸くなってしまう人はどうしたらいいでしょう?

江原まずは腰を反らせてみることです。でも、そのままでは腰を痛めてしまうし、窮屈です。ですから、反らせたところから、少しずつ反らせるのをやめて、背筋が真っ直ぐになったところで止めるのです。鏡やガラスに映してやるか、誰かに見てもらってもいいですね。そのとき、背骨のラインが首の後ろや頭の後ろまで一直線になるようにします。

──中部銀次郎さんは頭の先が空から引っ張られているようにしなさいと言っています。

江原頭が垂れてしまったり、背中が丸いとスムーズなスイングができにくくなってしまいます。また、上半身で言えば、肩が前に出てしまう人、肩が上がって構えてしまう人もいますが、これもまたスムーズにスイングできない原因になります。アーリーバードゴルフクラブには原英樹さんという整体の先生がいらっしゃるのですが、こういう人は次のようにやってみることだと言います。直立して姿勢を正し、両腕を背中の後ろ側にだらんと下げ(肩甲骨を絞った形で)、手の甲を内側に回して体の横につけます。一度肩を上げ、ストンと下げます。こうすると肩がはまります。この状態で前傾し、手を少し前に出せば、肩が上がらずに前にも出ないアドレスが作れます。

──やってみると、肩がはまるというのがわかります。肩がはまっていない構えで打つから、トップが浅くなったり、肩が上がってトップしたり、手打ちになったりするのかもしれませんね。

江原その通りで、いかに良くないグリップとアドレスがミスショットを生み出してしまうかがわかりますね。それだけに理に適ったグリップとアドレスを作ることが重要なんです。

──本当にそれらが良いスイングを生み出す肝ですね。

江原スイングに関しては、理に適ったアドレスが作れたら、首の後ろを支点にし、背骨を軸にして体を回転するようにします。そうすれば頭を動かすことなく、手打ちになることもありません。重いものを持ったイメージでスッとクラブを振ります。つまり、クラブを重いものと感じてクラブに振られる感じで振ります。

──となれば、グリップに力を入れないことが前提ですね。

江原その通りです。グリップは握り締めず、力も入れない。指で引っかけているわけですから、そのままで振ればいいわけです。クラブがすっぽ抜けないかと、心許ないかもしれませんが、それくらいで構いません。きちんと引っかけているので抜けることはありませんから。こうしてスムーズにクラブを振ります。

──下半身の動きというか、体重移動も必要ですよね。

江原今回はこのことはあまり意識しないで欲しいと思います。後で練習法を教えますが、連続素振りを繰り返せば、自然に体重は右から左にシフトしますので、その足の動きにしたがって上半身を回転させ、腕を振ればいいということです。このときに遠心力を感じてください。内側から外側に向かうエネルギーを感じて、それを使ってクラブをスピーディに振り抜きます。関節に逆らうことなく、筋肉でクラブを支配することなく、クラブが行きたい方向に行かせてやることです。

──無理のないスムーズなスイングになりますね。

江原故障することもありません。あとは肩を回すこと。トップでは左肩が右足つま先前に来て、フォローでは右肩が左足つま先前に来る。肩を入れ替えるように振ることです。これは胸を張り、それを板のように感じて、胸ごと回すと言ってもいいです。そうした意識があれば手打ちにはなりません。ボディターンでボールを打つことができます。あくまでも形は気にしない。トップの形やインパクトの形、フォローの形といったことは考えない。自然に任せて振って欲しいです。

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