宮部みゆき最新作!

三鬼 三島屋変調百物語 四之続

画:北村さゆり

鬼は、人から真実を引き出す。 森は秘事を抱いている。 そこには罪があるから。 人は罪をおかすものだから。 悲しい語りの後に、きらりと光るものが……
冬に贈る 怪談語り 三鬼(さんき) 三島屋変調百物語 四之続 三鬼(さんき) 三島屋変調百物語 四之続
著者
:宮部みゆき
ISBN
:978-4-532-17141-4
判型
:四六判 上製 570頁
定価
:本体1800円+税

江戸は神田で評判の怪談語り
<変わり百物語>
不思議な話に心がふるえ、
身が浄められる。

日経朝刊連載「迷いの旅籠」、待望の単行本化

江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は
“お嬢さん”のおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。
決まり事はただひとつ。聞いて聞き捨て、語って語り捨て。
己の胸に秘めておくには辛い、不思議な話、せつない話、こわい話を語りに、
<黒白の間>へやってきたお客があの世やあやかしの者を通して語り出したのは――

挿絵 挿絵 挿絵

あらすじ

第一話

迷いの旅籠

挿絵

中原街道沿いのとある農村。領主が突然、村人たちに祭りの中止を申し渡した。村じゅうが喧々囂々となる中、名主の家に居候していた他所者の絵描きが事を収めてしまった。そこに迷い込んできたのは……。

第二話

食客ひだる神

挿絵

三島屋がひいきにしている<だるま屋>の弁当は絶品。亭主は上総の国から江戸に出てきた男。帰郷した折の道中で、ある怪異を経験する。その後、働き者の亭主は念願のお店を構えるのだが、商いを支えていたのは……。

第三話

三鬼

挿絵

三島屋を訪れたのは威風漂う立ち居振る舞いのお武家様。下級藩士だった頃、時の藩主の失政により人心は荒廃し、武士の家族もむごい事件に巻き込まれた。怒りに燃える復讐者となった武士は、険しい山に送り込まれることになったのだが……鬼がおります。

第四話

おくらさま

挿絵

若い娘のなりをした老婆の家には守り神がいて、姉妹がお世話するのが仕来りだったという。老婆が娘時代の春の怪異を語り出したところ……三島屋シリーズ初登場の飄々とした男が大活躍。おなじみの面々も加わり、やがて、おちかの身にも心ゆれる出来事が。

著者プロフィール

宮部みゆき(みやべ みゆき)

1960年生まれ。東京都出身。87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。92年『龍は眠る』で第45回日本推理作家協会賞。同年『本所深川ふしぎ草紙』で第13回吉川英治文学新人賞。93年『火車』で第6回山本周五郎賞。97年『蒲生邸事件』で第18回日本SF大賞。99年『理由』で第120回直木三十五賞。2001年『模倣犯』で第55回毎日出版文化賞特別賞、第5回司馬遼太郎賞 、第52回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。07年『名もなき毒』で第41回吉川英治文学賞。08年英訳版『BRAVE STORY』でThe Batchelder Award受賞。近著に『希望荘』『過ぎ去りし王国の城』『悲嘆の門』など。

本書『三鬼』は『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』に次ぐ三島屋シリーズ第4弾。
第5弾となる予定の「三島屋変調百物語 あやかし草紙」が北海道新聞、東京新聞、中日新聞、西日本新聞の各紙夕刊で連載中。

編集部オススメの読みどころ

 真冬に読む怪談語りに、身も心もふるえるだけでなく、いまは亡き大切な人や離れて暮らす家族に思いをはせる読者も多いことでしょう。
 編集部オススメの読みどころをもうひとつ。それは文字通り、おいしそうな場面の数々です。
 細かく刻んだ生姜の漬け物と煎り胡麻を混ぜ込んだ酢飯の“おいなりさん”、街道の道っぱたに座って食べる真っ白な銀しゃりの握り飯、青菜飯に豆腐の山椒味噌焼き、鰻の櫃まぶし、脂の乗った秋刀魚の塩焼きに栗ご飯、二八蕎麦にかけそうめん、羽二重饅頭に白ごまおこし、利休卵に鴨の船場煮、茹でるのではなく蒸籠で蒸した新蕎麦に菊酒、とろりと濃くて甘み豊かな玉露……。
 新聞連載中には北村さゆりさんの料理の挿絵ともあいまって、読むとお腹がすいてくると評判になった紙面がたくさんありました。