日経ビジネス文庫 日経ビジネス人文庫は毎月3日頃の発売です

日経ビジネス人文庫とは

編集部より

バックナンバー

『山一證券の失敗』

本書は1998年刊行の『決断なき経営--山一はなぜ変われなかったのか』の改題、増補文庫化です。

山一證券の破綻というと、当時の野澤社長による「みんな私ら(経営陣)が悪いんであって、社員は悪くありませんから!」という涙の会見シーンを思い起こされる方も多いでしょう。

山一證券が創業したのは1887年。自主廃業に追い込まれた1997年には創業100年を迎えていました。従業員数は7500人強、グループ会社を含めると約1万人、預かり資産20兆円という巨大企業の破綻劇でした。

本書の著者、石井茂氏(現・ソニーフィナンシャルホールディングス社長)は当時、山一證券の経営企画室の一社員として会社の最期を見届け、大蔵省に営業休止の届出書を提出した人物です。

本書では「摩擦を避ける」「空っぽの経営中枢」「見たくないものは見ない」「小さい情報のアンテナ」「権限・責任の曖昧さ」など、 日本型組織に共通する「失敗の本質」を、エピソードを紹介しながら描いていきます。

著者自身、大きな渦に巻き込まれ、職場を失ったというのに、妙に冷静な目線で、破綻までの経緯を振り返っているのが印象的です。

文庫化に当たり、「二十年目の後日談」を増補しました。20年経った今、山一の破綻をどう見るか。山一を辞めたあと、どのような経緯でソニー銀行を立ち上げたのか、 経営の要諦とは何か、などを中心に加筆しています。