日経ビジネス文庫 日経ビジネス人文庫は毎月3日頃の発売です
日経ビジネス人文庫とは
仕事も一生懸命、遊びも真剣。人生を自分らしく生きる人のための文庫、それが日経ビジネス人文庫です。俊敏に変化しながら成長を続ける企業の秘密、信念で 社会を変えていったリーダーの生き方、人生を豊かにするための歴史や古典の読み方−−など、ちょっとした時間に楽しく読めて奥が深い「小さな本格派」 300タイトルです。
2008年7月号
7月のピックアップ
今月のお勧めは、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長が、世間に流布する「仕事のウソ」を見抜き、顧客や市場の真実をいかにして掴むかを説いた、『鈴木敏文の「本当のようなウソ」を見抜く』(勝見明著)です。
「私たちが“顧客のために”と考えるときはたいてい、自分の経験をもとに、“お客とはこういうものだ”“こうあるべきだ”という決めつけをしています。だから、やってみてうまくいかないと、“こんなに努力しているのにお客はわかってくれない”と、途端に顧客を責め始める。これは努力の押し売りにすぎません。あるいは、“顧客のために”やっていると言いながら、そこには売り手側の都合が無意識のうちに入っていて、実態はその押しつけになっていたりする。私が社員たちに“顧客のために”という言葉を使うなと厳命するのは、決めつけや押しつけを排除するためです。
今の時代に本当に必要なのは、“顧客のために”ではなく“顧客の立場で”考えることです。どちらも、顧客のことを考えているように見えて、決定的な違いがあります。“顧客のために”は自分の経験が前提になるのに対し、“顧客の立場で”考えるときは、自分の経験をいったん否定しなければなりません」
鈴木氏が語る「脱常識の仕事術」は、すべてのビジネス人の仕事への取り組みを一変させるもの。まさに目から鱗の一冊です。
2008年6月号
6月のピックアップ
今月のお勧めは、ジャーナリスト・梶山寿子さんの『トップ・プロデューサーの仕事術』です。プロデューサーと聞くと「映画や音楽をつくる業界人」とのイメージが頭に浮かび、一般のビジネスとはかけ離れた存在だと感じる人も多いかと思います。しかし、プロデューサーの仕事とは、クリエイティブの現場とビジネスサイドをつなぐことです。本書に登場するフジテレビの亀山千広映画事業局長(『踊る大捜査線』)が語っているように、クリエーターの作品をいかに商品にするかが、プロデュースの肝といえます。こうしたメガヒットを生み出し続けるプロデューサーの仕事の進め方、思考法、哲学を紹介し、一般のビジネスマンにとって何を学べるかを紹介したのが本書です。
テレビ界屈指の「視聴率男」と呼ばれる五味一男氏(日本テレビ)は、ヒットの秘訣は「エゴを取り払って、客観的に考えられるかどうか。そこで腹をくくれるかどうか」だと言います。また、ユニクロのブランディングやSMAPのアートワークなどをてがけるカリスマ・アートディレクター・佐藤可士和氏は、問題解決の手法として「相手の話にじっくり耳を傾けることで、相手から答えを引き出すこと」と教えてくれます。『フラガール』『パッチギ!』を製作したシネカノンの李鳳宇氏は、「過去のデータだけに頼るやり方では予想外の大ヒットは生まれない」と語りました。本書に収録された9人の大胆な発想と不屈のチャレンジ精神は、読者の皆さんの仕事のやり方を見直す契機となるはずです。ぜひご一読下さい。
2008年5月号
5月のピックアップ
今年のゴールデンウィークは11日間という長期になる方もいらっしゃるようで、旅行に出かける人も多いかと思います。今月は、ビジネス人の旅のお供にぴったりの一冊をご紹介します。
私たちが普段スーパーで買っているピーマンやジャガイモなどの袋詰め野菜。どの袋にも表示されているグラム数とぴったりの野菜が入っていますが、ある機械ができるまでは仕分け作業者が手で1個1個計量しながら袋詰めしていたそうです。この作業を革命的に変えたのが、京都にあるハカリの専門メーカー・イシダの「自動組み合わせ計量機」です。この機械は、上部に円筒形の筒を十数個持ち、その中にピーマンを一つずつ入れると、瞬時に重さを量って、その中から4個で合計100グラムになるような組み合わせを選び出して袋詰めします。誤差はコンマ数グラム。この機械の完成で、イシダは世界シェア7割を占めるトップ企業となりました。
ビジネス人に人気の経済ニュース番組「ワールド・ビジネスサテライト」(テレビ東京系)。その放送開始20周年を記念して人気コーナー「技あり!ニッポンの底力」を文庫本『ワールド・ビジネスサテライト 技あり!ニッポンの底力』にしました。日本には、広告宣伝費もマーケティング予算もない中小企業にかかわらず「日本のものづくり」を最前線で支え、その分野で抜きん出たシェアや評価を獲得している企業が数多くあります。本書では、技の革新に徹底的にこだわり、それを通じて人々の暮らしをより良く変えていこうという志や、世の中のニーズの先の先まで読もうとする開発者たちの45の物語を紹介しています。お楽しみ下さい。
2008年4月号
4月のピックアップ
桜も満開となり、いよいよゴルフの季節が始まりました。今月のピックアップは、現在、アメリカのシニアツアーで活躍中の倉本昌弘プロがスコアメイクの秘訣を伝授する、アマチュアゴルファーの必読書『90を切る! 倉本昌弘のゴルフ上達問答集』です。
倉本プロは、考え方や練習をちょっと変えるだけで、月イチゴルファーでも90は簡単に切れると言います。100が切れたら初心者脱出、90が切れたら中級者脱出と言われていますが、常に90を切るために必要なのは「競技のゴルフ」に徹することなのだそうです。とかくアベレージゴルファーは出たとこ勝負のゴルフをします。ドライバーは飛ばせるだけ飛ばしたいと力一杯振り回す。アイアンはひたすらグリーンオンしか考えない。これではプロでも悲惨なスコアになってしまうと言います。
「飛ばさない、乗せない、寄せない、入れない」――。ちょっとつまらないと思えるようなゴルフが実は、プロやシングルゴルファーが行っている「勝つためのゴルフ」なのです。本書は、倉本プロが師匠となり、アマチュア代表のゴルフ雑誌編集者・本條強氏が聞き手となって、「90切り」というものについて、具体的にその方法を問うていく問答集です。
今までどうしても90を切れなかった方、目から鱗の一冊です。
2008年3月号
*3月のピックアップ
この春、新しくビジネス人になる方へお勧めの一冊が、新刊『そのバイト語はやめなさい』です。
「1000円からお預かりします」「資料をお送りさせていただきました」――。コンビニエンスストアの店頭やビジネスの現場で、よく耳にする言葉です。正しくは「1000円お預かりします」と「資料をお送りしました」。
どうしてこのような誤りが広く伝わってしまったのか? 著者の小林作都子さんは、現代の若者たちが、同世代や同じことに興味がある人とは関係が濃く、異なる世界にいる人や目上の人とは会話をする機会が減ったためと分析しています。アルバイト先の先輩が使っている誤った「バイト語」を社会人の言葉として受け止め、友達の間でもそれを使い、社会に出たときには間違いとも知らずに皆使っています。こうして、ビジネスの現場にもバイト語は蔓延していったのです。
本書では、よくあるバイト語、間違い言葉を具体的に指摘し、社会に通用する話し方をわかりやすく解説しています。敬語に自信がない先輩社員、上司の方もご一読下さい。
2008年2月号
*2月のピックアップ
'『日本のお金持ち研究』は、これまで論じられることがなかった日本型富裕層の実像を多面的に分析した本です。単行本の発売当初から新聞各紙、ビジネス誌に取り上げられるなど話題になりました。
「一億総中流化」ということばに象徴されるように、諸外国に比べると日本は貧富の差はさほどないと思われていましたが、実は徐々に階層化が進み、格差がつき始めていることを「ジニ係数」ほか経済分析を用いて具体的に実証しています。
本書では、日本の高額納税者のうち所得1億円以上の約500人にアンケート調査とヒアリングを行い、その結果を様々な角度から検討研究しました。
本書で明らかにされた高額所得者は、職種で見ると企業経営者、次いで医師で、この2つが「お金持ち」の45%を占めます。
企業経営者は、名門大学→大企業といういわゆるサラリーマン社長ではなく、小さい企業であっても自分で創業し、成功した人、こうした企業を親から継いだ人がほとんどです。
また、高収入の開業医ですが、なかでも白内障手術の増加で収入バブルがおこった眼科が稼ぎ頭だそうです。
因みにアメリカでは高給で社会的地位が高い弁護士ですが、日本では一部の有名弁護士を除いてはさほど高収入ではない等々、意外な話も多く読んでいて非常に面白い本です。おすすめです。
2008年1月号
*今月のピックアップ
吉川英治、陳舜臣、北方謙三、宮城谷昌光――錚々たる作家たちが挑み、現代でも不滅の人気を誇る中国の歴史絵巻『三国志』。この物語に新たな魅力を見いだしたのが、童門冬二氏の『新釈・三国志』だ。本書では、英雄や豪傑たちが活躍する「官渡の戦い」や「赤壁の戦い」といった合戦シーンは少ない。著者が重視したのは、他の作家たちが深く探求してこなかった、組織に関する問題だ。著者は、異能異才の集団劉備軍について次のように語る。「個人の徳や魅力だけで大規模な軍団を率いることはできない。人間の能力には限界がある。やはりそれぞれの組織人がトップから権限を委譲されて、それぞれの持ち場を守り、部下を指導していかなければ、組織としての強さは望めない。諸葛亮が求めていたのは、今でいう、官僚制だ」。組織の光と影を、現代的な問題意識から描ききった「童門版三国志」。企業人必読の書です。
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