日経ビジネス文庫 日経ビジネス人文庫は毎月3日頃の発売です
日経ビジネス人文庫とは
仕事も一生懸命、遊びも真剣。人生を自分らしく生きる人のための文庫、それが日経ビジネス人文庫です。俊敏に変化しながら成長を続ける企業の秘密、信念で 社会を変えていったリーダーの生き方、人生を豊かにするための歴史や古典の読み方−−など、ちょっとした時間に楽しく読めて奥が深い「小さな本格派」 300タイトルです。
編集部より
1月のピックアップ
今月のお勧めは、堺屋太一氏の小説『エキスペリエンツ7 団塊の7人』です。堺屋氏は1976年に、第一次ベビーブーム世代の近未来を描いた予測小説『団塊の世代』を発表し、大きな話題となりました。本書は、30年ぶりに、団塊世代のこれからを描いた小説です。少し内容をお話ししますと、
55歳の誕生日を間近に控えた東陽銀行ATM管理室調査役の坂本龍生の元に、高校時代の同級生、木戸ここ路が突然、相談に訪れた。ここ路が東京東部の「梅之園ハッピー通り」商店街で経営するそば店は、バブル時代に建てたビルの建設資金の返済に行き詰まり、地元のくれない銀行から債権売却を打診されていた。
坂本はここ路が訪ねてくる直前、人事部長の安藤信雄から早期退職を勧められていた。ハッピー通りを訪問した坂本は、ここ路のそば店だけではなくハッピー通り全体がさびれつつあることを感じるが、34年間銀行に勤めた経験を商店街の再生に活かせないかと考え始める。
坂本は、仕事で知り合った自分と同じ団塊世代の知人を商店街再生という夢に引き込もうと考える。坂本に賛同したのは、元大手建設会社の設計部長で現在は独立している建築家の後藤象六、広告代理店で看板などを手がけてきた清川八十、大手商社からコンサルタントに転身した中岡真、介護NPOの代表を務める松景美夢、ハッピー通りで生まれ育った元東陽銀行運転手の山形友有。坂本、ここ路を含めて7人の経験者(エキスペリエンツ)が商店街再生のために立ち上がった。
7人それぞれの智恵と経験を持ち寄っての、地域通貨「エコマネー」の発行や商店街清掃イベントの開催は順調に功を奏し、商店街はにわかに活気づきはじめた。順調に進むかに思えた商店街復興だが、予想もしない壁が坂本たちの行く手を遮る。
地銀であるくれない銀行が突然、商店街の不良債権を一斉売却しようとしたのだ。そこには、さまざまな金融機関と手を組んで梅之園一帯を再開発しようという、ハゲタカたちの画策が潜んでいた。しかも、その再開発計画には、坂本の古巣である東陽銀行の上層部をはじめ、郊外の商店街が立ち向かうにはあまりにも大きな権力が関係していた。
商店街全帯の再開発という大きな陰謀に戸惑いながらも、「高齢者が歩いて暮せる街づくり」をコンセプトに、7人のエキスペリエンツはそれぞれの知識と経験をもって、果敢に立ち向かっていく――。
知識と経験を身につけた団塊世代(エキスペリエンツ)1085万人のこれからを描いた、著者渾身の物語です。







