昔話の戦略思考

梶井厚志 著

定価(本体850円 +税)

新書判 並製 232 ページ
978-4-532-26343-0
2017年6月発売

物語の裏に「戦略」あり。経済学的に大胆に読み解く。定評のある著者が解説します。「桃太郎が圧勝したわけとは?」「浦島太郎は幸か不幸か?」など、興味深い視点が満載。

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おすすめポイント

〇日本古来から読まれてきた物語、もしくは江戸時代に成立したとされる落語。これらには人間の行動心理が深く刻まれており、陥りやすい失敗談なども多く含むため、教訓とすべきことから、長きにわたって読まれ、また語り継がれてきた。これを経済学的思考で読み解くとどうなるか、を体現したのが本書である。

〇経済学的思考では、順を追って思考を体系化するため、これまで「なんとなくいい話」と思っていたものも、しっかりした形で読者の心に沁みわたり、かつ定着する。それが本書のねらいでもある。

〇著者の梶井氏は『戦略的思考の技術--ゲーム理論を実践する』(2002年刊行)がヒットに。ゲーム理論での行動パターンを「戦略的思考」と位置づけ、数式を使わずに解説、また教養に富んだ執筆には定評がある。

〇経済学的思考で読むと、古来から理解されてきた物語も、違った視点になるものもあって面白い。
「こぶとり爺さん」はこぶを取ってもらった爺さんを真似て、鬼の前で踊りに行った別の爺さんが、逆にこぶをつけられてしまうというストーリーだが、実は前者が良人で後者が悪人とは決めつけられない。両人とも「欲深い」という意味では同じ。この話の要点は善悪にあるのではなく、下手な踊りをして鬼を怒らせた、自分の技量を理解していなかった後者の爺さんの戦略ミス、と断ずるなど。新たな発見の多い本になっている。

目次

昔話編
 こぶ取り爺さん――「偶然」を法則と勘違い
 
 浦島太郎――「機会費用」から幸不幸をとらえる

 舌切り雀――選ばせることで相手に記憶させる

 竹取物語――主導権を与えて断る

 桃太郎――話に枝葉をつけたほうが理解が進む

 わらしべ長者――ものの交換価値を考える

落語編
 持参金――貨幣価値とネッティング

 百年目――遊びをゆとりと見るか、無駄と見るか

 千両みかん――需要と供給、そして交渉

 大山詣り――コミットメントとシグナリング

 はてなの茶碗――確率と期待収益

 井戸の茶碗――正直者の経済学


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